2015/09/03

猥褻


「猥褻」という言葉をwikiってみたら、
「社会通念に照らして性的に逸脱した状態のことをさす。」と冒頭にあり笑ってしまいました。

なるほど、むやみに人を興奮させちゃうと社会的な秩序に支障をきたすからなのね。

強い快感も不快も結局はどちらも欲望を刺激されてるってことだから
人間が生きていくのに不可欠な要素であるわけだけど
過剰になると秩序が乱れるってことなんだよね。

秩序の規範となる理性は、結局は欲望には勝てないってことなのかしら。

***

先日、春画にまつわるあれこれをネット上の記事で読んでいたのだけど
「春画はもはや猥褻物ではなく日本が誇るアートだ!」
なんていう阿呆なコメントをみつけてしまった。

・・・そんなコメントをつける人間に春画の素晴らしさがわかるとは到底思えないんですけど・・・!

阿呆だコイツ。

正しくは「日本が誇る猥褻物であり、また芸術でもある春画」だと思うのです。

欲望を刺激しないものが美しいわけあるか!

綺麗なものが素晴らしくて、汚いものには価値がないなんて、
もしそんな世界があるとしたら
間違いなくそんな世界には人間もアートも存在できない。

中庸が、社会や秩序を形成する要素と成り得るなら
過度に刺激の強いものを敢えて日常に晒す必要はないけれど
だからこそ日常以外の場所で、そういう場所が必要になってくるわけでしょう。
たとえば創作とか妄想とか、アートとか。
人間が、人間そのままでいられる場所。

たしか今の日本での出版物の猥褻の定義って性器が写ってるかどうかってことだったと思うのですが、
私がこの世に誕生した時に通って来たあのぬめぬめとした産道の入り口が猥褻物と定義されてる不思議。

きっといつだって
ひとが畏れるものと崇拝するものは同じ。
キライなのは、実はそれに支配されていると気付いているから。
スキなのは、すでにその力に魂を委ねているから。

人が生きることの、根幹に関わるものほどタブーになる。

その本質を忘れて、「猥褻」や「アート」を語るのも不毛だと思うの。



2015/08/14

女体

photo : maeda natsuko
なんで、女の人のヌードにメヘンディ描こうって思ったんですか?」

と、先日のモデルさんに話の合間で訊かれたんですけど

とりあえずヘナやってようが版画やってようが油絵描いてようが
結局は行き着くとこは女体って感じがするんですよね。
・・・って言う人って結構多いと思うんですよね。

みんながスキな女体は私も大好きってことなのです。


***


私は、塗り重ねていく塗料よりも
支持体に食い込み浸透していく染料が好き。

鉱物よりもやわらかく人に近い、植物由来のものが好き。

支持体は木や紙も心地いいけど、
それよりも気持ちがいいのは人の生肌。

男よりも女がいい。
だって自分が女だから。

私がヘナで女体に描くのが楽しいのは
女同士で分かち合える気がするから。

ちゃんと知ってるのに、たまに見失いそうになること。

自分の身体がただ美しく、誇らしいってことを。




2015/07/15

魅惑

photo:maeda natsuko

☝☝☝女性です。

素敵過ぎて胸がギュンとしてしまいました。

たまらん。
なんてセクシー!

「最近、なーんもしてないからさ!
 ダルンダルンで全然お役立ちボディじゃないんだけど、いいのかしら!?」

・・・とかなんとか打ち合わせ段階ではのたまっておいででしたが、
さすが身体使ってるお仕事なだけあってお見事でした。

できたらなにか、写真撮影に使えそうなアクセサリーや衣装等をご持参いただければ、
と伝えたら、帽子やジーンズを持って来てくれるあたり
センスいいなあ。

こんなカッコいい彼女は特にトランスジェンダーとかそういうのではないですが
外見的にしっかりした骨格や筋肉質な身体が醸し出す男性的なかっこよさと
それとは裏腹に鈴を転がすような美しい涼やかな声がなんとも魅惑的な彼女。



私はとにかくセクシーなものが大好きなのですが、
セクシーとはいっても別に女っぽいとか男っぽいとか
そういうものが好きなわけではなくて

むしろそんな女性性や男性性が混在しているさまに、
もしくはそういう二元的なものを超える存在であるかのように
なにかがそこに存在しているさまに、
胸の内側を掻きむしられるような恍惚を感じるのです。

だから精神的にも肉体的にも
そういう二元的な要素がひとつの器にキッチリ統合されてる様を垣間みるのは、
たまらなく快感。

「男でも女でもないもの」ではなくて、
「男でも女でもあるもの」。

なんかそれって世界の完成形。

まるで神様みたいじゃない。













2015/07/07

羽根

photo: maeda natsuko

裸は恥ずかしい、とか
女性の身体が猥褻だとか

ヌードメヘンディの撮影に協力してくれているモデルさんたちの
美しいまでに潔い脱ぎっぷりを見ていると、
一体、そんなことどこで誰が決めたんだろうと思う。

きっと大多数の女の人たちは皆、
自分の女としての肉体に誇りを持っているし
それを賛美されたいと思っているし
その身体を讃えられるために産まれてきている。

と、私は産まれた時からそう当然のように思い込んでいる。

私が女の身体が好きな理由も、
結局は自分が女だからで、
自分の身体を愛しているから、という
きっと単なるナルシズムに過ぎないんだろうな。

***

今回のヌードメヘンディのモデルさんは
パワー系のヨガをやっている方だったので、
身体のラインが樹の幹のように強く美しかった。

エレガントとか可愛らしさとかいうよりも
少し、動物のような有機的な要素を入れたかったので
羽根のモチーフとかを入れてみたのだけれど
ああ、牛の角とかそういう強い形も入れれば良かった・・・
と、ちょっと後悔。

ヌードメヘンディの時は予めモデルさんのイメージに合わせて
下絵を描いておくのだけれど
実際撮影まで終わってみた後で、
・・・ああ、もっとあそこのデザインああすれば良かった!
と悔やむことも多いのよね・・。

だけど、そんな後悔も含めて、
描いて撮って数時間で完成して終わる作品ッていうのは
それはそれでやはりおもしろいものです。

















2015/06/10

幹と軸

photo : maeda natsuko
 「強くなりたい」と友人のヨーコちゃんは言う。

「よく多くの女の人たちが憧れるような母性とかの女性性の強さ、じゃなくて、私は男性的な強さが欲しい。身体的にも、精神的にも。」

ヨーコちゃんはいわゆる戸籍・身体的にはフツーに女性であるのだが、
先天的にか後天的にか定かではないけれど、
自分の中には「男の自分」と「女の自分」がいるという。
その両極端な自意識が、日によって、あるいは場合によって、自分の中で変わるそうだ。

「朝起きて化粧をしてると、なぜかすごく女としての化粧している自分に違和感を感じることがある。かと思えば、男に恋し愛されている時には非力な女として肉体的にも精神的にも男に頼ることに酔う快感も感じることもある。小学生の頃は肉体的に「強くなりたい」から剣道を始めたし、高校生になっても剣道部で馬鹿みたいに身体を鍛えて筋肉がついていくことに快感を感じていた。私はずっと、男の身体の強さに憧れているし、それに加えて父性的なものまで手に入れたい。かと思えば、私は女としての自分の身体で、男を誘惑する快感も知っている。私の中ではいつも、自分は男の性と女の性の間を振り子みたいに行ったり来たり。自分で自分の性別のあり方も解らないのに、単に私の女の外見だけで私を女だと決めつけられるのも気に食わない。男とか女とか、そんな言葉で人間を、括らないで欲しい。」

男と女の自意識の間を振れ続けるヨーコちゃんは、
私には少し不安定に見える。

っていうか私のメヘンディのために躊躇無くがっつり脱いでくれる彼女の、
どこが不安定で強く無いのだと思わなくもないけれど
自分の中の性別が変わることで求めるものが日々変わるという心もとなさと、
周囲と自分の意識の落としどころを探している不確定さが、
なんとなく私にはそう感じるのかもしれない。

とはいっても、正直私にはよくわからない。

なぜなら私は自分のセクシャリティにもジェンダーにも
悩んだことが無い生粋の女だからね。

身体で解り合えることは多い。
女同士の考えることがなんとなく解ってしまうように、
男が普通にやる行動を理解できずに腹立つこともある。

だけど、解らないことや想像しにくいこともあるけれど、
だけど私はヨーコちゃんの求める「強さ」がなんとなくだけど
解るような気もするんだよね。

解る気もするんだけど説明しようとするとなぜだか気持ちが白けるので
とりあえずは純粋に「私が、強く美しいと感じるヨーコちゃん」をイメージして
メヘンディを描いて写真を撮ってみた。

ヨーコちゃんは男前に躊躇無く服を脱ぎ、潔く私に身体を預けヘナで絵を描かせてくれる。
そして女体の美しい曲線を活かし、いかにも女、なテイでカメラの前で身体をたわめる。

不思議なんだが、その時のいかにもセクシーなヨーコちゃんの振る舞いは、
女というよりも、たとえばニューハーフの方々がシナを作る時のような、
一種、異様な独特の綺麗さがある。
綺麗なんだが、どこか過剰でわざとらしい。
「ほーら、わたし、おんなよ。」って、身体全体で主張しているみたいに。

そんなヨーコちゃんに私が思う「強い」メヘンディを描いてみた。

どんな「強さ」が欲しいかは、人によって色々あると思うのだけど
私が「強さ」と聞いてまず思い浮かぶのは身体の「正中線」。

整体で言う、身体の背骨のラインのことね。
ていうか、背骨だけじゃなくて、頭のてっぺんから踵まで
地面から垂直にまっすぐ伸びる線のことね。

正中線がキッチリ立ってる人は堂々として美しく見える。

女でも男でも美しく見える。

正中線の、お臍の下あたりに力を込めれば肉体ががっちりと座り、立つ。
正中線の、胸のあたりに意識を込めれば気持ちが、精神が決まる。

女がシナを作って身体をたわめても、
たわめた線が美しいのはそこに、重力に逆らい大地に根を張る
まっすぐな線が見えるから。

曲線が綺麗に見えるのッて、人がその裏っ側に
まっすぐな重力の線を見ているからだと思うんですよ。
植物の蔓や樹の枝が甘美な線を描いて伸びて行くのと同じように。

やはり、人の美しさッていうのも、
まずはここだと思うんです。

photo : maeda natsuko

2015/05/26

アマノさん


SM用革製品専門の職人、アマノさんに知人の紹介で会ってきました。

フツーに私鉄沿線の駅前の、フツーの商店街の一画に、
フツーにアマノさんのお店はありました。

アマノさん本人も想像以上にフツーに感じのいい方で、
「どうぞ」ってガラガラとドアを開けてくれました。

まあ、ドアを開けたその中は鞭やら拘束具やら
アダルトグッズだらけの革工房でしたが。


「ウチにはSMに限らず本当に色んな趣味のお客さんが来ますからね。
 こういう商売してると、人によっては鞭ばかり作って売ってるように思われることもありますけど、
 SM用の鞭とかはせいぜい全体の商品の二割にも満たないですよ。
 色んな性癖を持つ人がはるばる来店してくれて、それぞれの注文にあわせて、
 色んな道具を作るんです。」


別に鞭ばかり作ってるわけじゃないとはいうものの、
店内にはずらり様々な鞭の数々。

うわ〜。

たまんない。

やっぱり鞭っていいなあ。
革のヌメっと光る感じといい、動物のシッポみたいに重く軽やかにたわむ感じといい。

まあ、だけどこれだけが全てじゃないっていうのは私もわかる。
性癖っていうのは本当に人それぞれだから。

アマノさんは最近注文で作ったという吊り用の念入りに頑丈に仕立た足枷や、
頭部全体を覆うマスク、自分では取り外しのできない掌まで覆う手枷や
男の局部をくるむ針付きの革のケースなど様々なものを机の上に出してみせてくれた。

「今は無いけど、よく問い合わせがくるのが貞操帯ですね。
 革製のは実用性がないんですけどね、やっぱり貞操帯って名前だけで、
 欲しい人は欲しいって思うみたいで。」

へえ。

そういえば、別の革職人さんも鍵付きパンツの依頼が来たことがあるって言ってたな。
しっくりこなくて断ったって言ってたけど。
世の男性はそんなにも女の下半身が心配なんでしょうかね?

「いや、今は大体が、男性用の商品ですけどね。M男とかゲイの人向けの。」

あ、そうなんだ・・・。

とにかく本当に、色んなものをつくってるらしいです、
このアマノさん。

中には寝る時に装着する革用のマスク(色違い二種)とか
一体どこに性的興奮を覚えるのか私には理解できないものまでありましたが。


「道具を売る時にはね、遊び方を教えてあげるといいんです。」

へえ。

「たとえばですけど、バイブを使って外で遊ぶとしたらどうします?」

「バイブですか。ありがちですけど、遠隔操作可能なバイブを女の局部にしこんで電車に乗せてスイッチオン、オフしながら女の反応を見て楽しむとか、そんな感じですかね?」

「そうそう、一般的なとこだとそうですよね。」

「他にありますかね?」

「あのね、女の子の上着のポケットに、ただバイブを入れて、
 それをただ鳴らし続けるんです。それこそ、電車の中とかでね。」


・・・・うっわ。


「それ、すごい恥ずかしいですね。」

「でしょう。自分じゃ止められないんですよ。鳴りっぱなしです。」

それはやる方から見たら大変楽しそうですけど、
こういっちゃなんですけど私、余分な羞恥心とか持ち合わせていないんで、
やられるのはごめんです。
でも、責め方としてはシンプルにポイントだけ突いてる感じがとても好感が持てますね。

「まあ、だけどやっぱりSMといえば鞭、みたいな先入観も初めはありますから、
 鞭は初心者には人気がありますよね。」

ああ、そうですよね。
私も好きです。
鞭はビジュアル的にそそるんですよね。

だけど、鞭を振るうのってそこそこ広い空間が必要だし、
打つのもそれこそちゃんと練習しないとうまくは打てないんですよね。
知人は夜の公園でひとり大きな鞭を振るうという変質者的な練習をしていたそうですが、
まあ、そうでもしないとなかなか練習場所もないってことですよね。

「ああ、今はね、体育館とか借りて鞭の練習会とかもあるんですよ。
 僕も見に行ったことがあるんですけど。」


え?

そうなの?


「もしかして、よくある緊縛練習の縄会みたいな感じのヤツですかね?」

「そうそう、まさにあんな感じです。」

「みんなで、サークル活動みたいに和気あいあいと縄で縛る練習とかするんですよね。
 私も参加したことありますけど、基本の後手縛りから吊りができるようになるまでの
 カリキュラムがちゃんとあって、みんな頑張って通って練習して試験とか受けたりするんですよ。
 生徒でも、結構できるようになってくると次は講師になっちゃったりしてね。」

「そう、僕はアレ見て、金儲けうまいなあ、って思いましたよ。
 まあ、鞭の練習会もそんな感じなんですけどね。」

「ああ、金儲けって言えば、たしかにそうですよね。
 だけど、そういう型にはまったカリキュラムをこなしていくことに達成感を感じているような人たちが、
 縄や鞭をうまく使いこなして他人とセックスできるとはとても思えないんですけど。
 だって、こう言っちゃなんですけど、そういう練習会に来ている男って、
 大概セックスがヘタそうなプワっとした男ばっかでしたよ。
 まあ、あんまりよく覚えてないですけど。」

ってゆーか、ああいうとこでちまちま縄の練習を楽しんでる時点で、
ボクはセックスがヘタですって言ってるようなもんだと思うんだよね。
ああいうものって、習うもんじゃないと思うんだ。
まあ、ただオナニーで楽しむだけの縄フェチならいいんだけどさ。

「うん、だから、そういう練習会で出会った人同士が、じゃあ、
 今度二人っきりでプレイしようか、って話になってどこか別の場所であったとするでしょ。
 そういう人にかぎって、二人っきりになったとたん何もできなくなっちゃったりするんですよ。
 それ以来、もう会わなくなっちゃって、みたいな話もよくききますよね。」


ききますね。


結局、ある人々は、
ひとつの場所でなにかを共有しながら仲間や場所をつくるのが好きなんですよね。
みんなで和気あいあいと仲良しごっこがしたいんですよね。
てゆーか、本来、自分の性癖に関することって、
そんな風にみんなと楽しく共有するようなことなんですかね?

そんなに和気あいあいと縄の練習するくらいなら、
みんなで楽しくセックスすればいいのに。

そっちの方が余程ピースフルだと思うんですが。

「だから、最近はもうSM系のハプニングバーとかって珍しく無いですけど、
 そういうとこでも大体、みんな同じような思考を共有できる客たちだけで成り立ってたりするんですよ。
 みんなで、『ボクらってこういう人だよね。』みたいな思考を共有して、仲間意識を持つんです。
 たとえばですけど、『ボクらはSMは好きだけど、スカトロ、あれはナシだよね〜!』
 みたいな思考に同意しあって、みんなで仲良くしてるんです。
 本来はそういう場所って、マイノリティの集う場所だから色んな人種がいて当然だと思うんですけど、
 今はなんていうか、排他的ですよね。
 まあ、ホントのマニアなんて色んなことに興味もって、色んなことやってるから、
 ウンコシッコでフツーにいくらでも遊べるんですけどね。」


「・・・スミマセン。
 私もスカトロはまだ興味ないんです。
 だけど、そう言われると、死ぬまでに一度はやってみたいって気になりますね。」

羞恥心も背徳心も無いこの私が、
どうやってそこらへんを楽しむかは今の段階ではまだ未知ではありますが。


「さすが!興味の幅が広いですね〜!」


いや、なんか興味っていうか、
やったことがないのが悔しいような、変な気持ちになってきました。

まあ、その前に色々やらなきゃいけないことも多いんで、
すぐにはあれですけど。


「今日は、色々お話してくださって、ありがとうございました。
 今度は何かお買い物しにきますね。」

実は、このお店、ウチから結構遠く無いんです。

アマノさんとも実は自宅が近所同士だということも判明しました。


「今度、ウチの近くで見かけたら・・・声、かけますね(笑)」


帰り際、
名刺替わりという名前入りのコンドームをふたつ、
もらって帰ってきました。






2015/05/19

近況


photo:三輪浩光 model:椿ヨーコ doll:八裕沙

いわゆるブログっぽく近況です。

最近、有り難い御縁が重なり女体にメヘンディを描く機会がつづいております。

いや、もうこれは、すっごい楽しいです。

やるたびに欲が出て、もっと、次はこんなのがやりたい、と切りがない感じ。
撮影して頂いた写真はそのうち少しずつブログにもアップしていきますね。

女の人の身体にメヘンディを描いている時は、
特に私の手で美しい作品を創ってやろうとかそういう感覚はあまりなく、
すでに美しい肉体を目の前に、
ただ、女性の円い身体の線を邪魔しないように、
体温やぬめりを感じられないような、ただの人形にしてしまわないように、
そんなことだけを考えながらメヘンディを描いています。

昔から、絵を描く前の、まっさらな白い紙が好きです。
絵を描いていくごとに、余白の白い紙の表情が変わる、
あの感覚が好き。

何かを表現したいというよりかは、
私にとっては単なるオナニー的な女体讃美なのかもしれません。



すごいやつではないですがカメラも購入したので
そのうち自分でもヌードメヘンディの撮影をしてみようかと計画中です。
手始めに、まずは来月初めに関西で。

なんかもう、とにかくなんでもやりたくなっちゃうのよね。
急に飽きたりするくせにね。
だけど飽きるわりにはやめないから、意外とやめずに長く続けてることも多いのよ。

そんなわけで
マエダのメヘンディのために脱いでもいい!と思ってくださる奇特な方はぜひ一報を。
ヌードモデル募集しております。
こう言っちゃなんですが、わたしヌード写真は綺麗に撮る自信がありますので、
損はさせない自信はあります。

そんなわけでどうぞよろしく。

いろいろ思うところも多い最近で、ブログに書きたいことも溜まってきてるのですが
なんだか私の中のアウトプット用の言語処理機能がうまく働かない最近です。
そのうちまとめて書けたらいいなとおもいます。





2015/03/21

豊胸


別にやらないですけどね。

「実際、豊胸手術ってどうなんですかね?」

ちょうど前回のブログを書いた直後に美容整形外科の看護士をしているというお客様がみえたので、聞いてみたんです。

・・・いや、別にやらないですよ、私は。

だけどね、ホラ気になるじゃないですか。
実際、世の中にはパイにシリコンバックとかヒアルロン酸とかいれたりする方々もいるわけでしょ。
図らずとも私もこの歳になって自分のパイが永遠に十代、二十代のままではないと思い知ることになったわけですから、いままでは全くもって理解不能だった豊胸手術をする方々の気持ちに思いを馳せることができるようになったわけです。
イヤそりゃね、全くデメリットがないなら私だってやりたいですよ。
そりゃそうですけどね。

「あ〜〜!やめたほうがいいと思います!あれはやらないほうがいいとおもいます!
 だって、術後、本当にみんな痛くてつらそうだもん!」

・・・あ、将来のメンテナンスがどうとかじゃなくて、痛みなんだ・・・。
ていうか、痛みッて、中にバックとか入れる時に切開した傷の痛みってことでしょ・・・?
それって、傷が治れば痛く無くなるってことでしょ?

「うん、それはそうなんですけど・・だけどとにかく痛そうなんですよ。
 アレ見てたら、私は絶対やりたくないッて思いましたよ。」

そ、そうなのか・・・

偶然にもその数日後に、実際に十年前に豊胸手術を受けたという別の女性にお会いしました。
意外といるもんなんですね、豊胸経験のある方ッて。
私自身は加齢とともにボリュームダウンしてくるお胸にショックを受け豊胸手術に思いを馳せるようになりましたが、このお方はもともと持って産まれたパイが大変小振りだったということです。
現在四十半ばのこのお方、瑞希さんは元SMの女王様で、以前一度縄で身体を拘束された際に、お胸があまりにフラットで縄が引っかからず縛られるのにも難儀したとおもしろおかしく話してくれました。

「私の場合はさ〜、胸にホントにお肉が少なかったから、手術も普通のやり方じゃなかったんだよね。普通はさ、シリコンバックとかを入れる時に胸の脂肪と筋肉の間に入れるらしいんだけど、私は脂肪がほとんどなかったから、肋骨と筋肉をばりばりって引きはがして、その間にバックをいれたんだよね。後で医者にきいたらさ、「あなたのやり方は男性に豊胸手術をする時と同じやり方ですよ」とかいわれてさあ・・・。」

な、なるほど・・・

「参考までに、おっぱい触っていいですかね?」

いいというので触らせて頂きました。
小振りメロンくらいのまあるい綺麗な巨乳です。

・・・あ、意外と自然な女体の感触が。
たしかにハリは強い気もしますが、言ってみりゃこれくらいは理想のハリ具合。

「スゲー!羨ましい・・・!!」

よく、男性陣の意見としていくらパイが綺麗でも作り物だとありがたみが無いとか冷めるとか聞きますけど、実際豊胸って男性目線を意識してやるっていうよりも、自分で自分のお胸が許せるかどうかッてことのような気もするんですよね。
男性のハゲとかカツラとかと同じですよね。
芸能人とかは別として、大体、他人はそんなことどーでもいいんですよ。
本人だけの問題なんです。
だから、ハゲとか整形とかに関しては、それこそ他人が何言ったってそんなのカンケーないんですよね。

・・・つーか、瑞希さんのお胸さわったら、乳首の感触までもが私の手に。

「ああ、だって私、手術してからずっとノーブラだもん。する必要ないからさ。
 ほら、中にバック入ってるからずっとヌーブラしてるようなもんなんだよ。」

・・・そうか。
ブラ嫌いの私にはそれすらも羨ましい・・・。

ていうか、そうそう、聞きたいのはあのことでしたね。

「で、実際、痛いんですか?豊胸手術の後ッて。この間、美容整形の看護士やってる人にきいたんですけど・・・。」

「アア〜〜・・!痛いよ!痛い!私、手術してから、一ヶ月はずっと痛かったもん!もうとにかく首の下が全部痛いの。ちょっとでも動くと痛いの。息するのもしんどいくらい。仕事するのもすごくつらかったわ。会社行って、机に座ったらもう疲れ切って何もできない、みたいな感じだったよ。わたし、もしこの先メンテナンスとかが必要になってももう絶対胸はいじりたくないもん!もう一回あの痛みを味わうくらいならおっぱいとかどーなってもいいし!!いまでもたまに違和感ッていうか、ちょっと痛いこともあるしね。」


そ、そんなにつらいのか・・・!
ま、まあ、そりゃいままでなかったところに無かったものを無理矢理いれて封するわけだから、身体の組織が馴染むまではそりゃつらいわよね・・・。

ムリだわ。

私 ぜったい無理。

よかった、やらない理由ができてなんか安心したわ・・・。


「そうそう、思い出したけど手術の時ってさ、局部麻酔だから意識はちゃんとあるんだけど、脇の下からこう、切るわけじゃん?で、切ったとこから胸の方に器具いれて、私の場合は肋骨と筋肉をバリバリひき剥がして、そこにバックを入れるわけよ。意識があるからさ、痛くはないけどそれが全部感覚でわかるわけ。バリバリ音も聞こえるしさ。・・・も〜〜〜ホントにそれがコワくってさ・・・。やっと右胸が終わって、ちょっとホッとしたのも束の間・・・まだ左胸が残ってるわけで。あれは、ホントに恐ろしかった。今まで私が経験した中で一番のM女プレイだったわ。」


・・・!!!!


ヤメテ!!!


恐ろし過ぎる話は聞かなかったことにします。


私のお胸には利尻富士で充分だというお話でした。













2015/03/03

パイ三景

photo by maeda

残念ながら上の美しいパイは私ではありません。
勿論パイに絵を描いたのは私ですが。

二月の末に大阪にて、友人のメヘンディ描きTARAちゃんとお互いのおっぱいにメヘンディを描き合い、それを写真家の高田一樹さんに写真におさめてもらうという誠に心躍るイベントを遂行いたしました。

まだできあがりの高田さんの写真は頂いていないので、私や衣装で協力してくれたメヘンディ描きちえこさんが撮った写真を今回は貼らして頂きます。

photo by chieko
とにかくまずスタジオが素敵だったのよ。
築百年のちょっと洋館っぽい雰囲気のある和風建築でね。
なにやら昔の写真家の人が建てたものらしいのですが。

まあそんな窓ガラスや床の質感まで美しいスタジオで今回メヘンディを描かせて頂いたわけですが。

すみませんがここからいきなり下世話な話になります。

パイオツメヘンディを企画し友人TARAちゃんに話を持ちかけたのは紛れも無くこの私ですが、企画が現実化していく過程でちょっとした私自身の個人的な問題に気付かざるを得ませんでした。

問題は解決、もしくは解消せねばならないのでとりあえずは友人K子さんに相談。

「というわけで今度TARAちゃんとパイオツメヘンディをやるのですが、私のパイが十年前と比べてなだらかに下降、減量しているという事実は否めません。
いや、ここ数年で痩せた上に筋肉落ちたからね。しかも、もともとブラ嫌いだから家では思い切りフリーダムパイだから、それも影響してるのかもね。悪あがきは承知の上で、撮影までの一ヶ月で少しでもなにかできないもんかね?」

「ああ、育乳か・・・。 わたしもさ、この前、着物着る時に和装ブラ着けた状態で肌着着て横から鏡みたらさ、あまりにフラットでびっくりして、この凄まじくフラットな様を誰かに見てもらいたくて思わず写真を撮ったんだよ。ホラ。パイヘナに挑むふたりへのはなむけにこの写真を送るよ。」


・・・え。
ありがとう・・・。

・・・ほう。たしかにフラット・・・。笑
だけど、和装ブラは仕方ないよね。
あれ、胸を潰して平にするためのもんだし。

「うん、たしかに、和装ブラしてないともう少しあるよ。ユニクロのブラトップするともっと大きくなるけどな!」

ああ、すごいね、ユニクロブラトップ。
私あれ苦しくてちょっと苦手だけど。

「ていうか和装ブラしてると、ホント障害物無しの平原だよね・・。
 とると一応、鳥取砂丘くらいにはなるんだけどな・・・。」

そうか、とりあえず頂はできるのか。

「つーか、私のパイなんてブラしてるとDカップだけど、フリーダムだとBくらいに見えるよ。すごくない?この差。」

「なに、そのマジック!!」

いや、ホントにブラってすごいよ。マジックだよ。
整形の域だよね、特に日本製ワコール。
昔は憧れもあって海外ブランドの下着とか買ってたけど、やっぱり日本人には日本人の体型を研究し尽くした日本の会社のブラが一番なんだよ。
すっごいしっくりくるもん。
形が綺麗で上がるのに苦しく無いの。


「ユニクロのブラトップ着けると、多摩丘陵くらいにはなるよ。」

「え・・・。私はノーブラだとこんなもんなんだけど」

ノーブラの私の胸部の写真をK子さんにご覧いただきました。

「なんつーか、ゆるやかな山脈ぐらいの・・・なんかいまさらなんだけどこれでちゃんとパイオツメヘンディできるか心配になってきたよ。」

いや、この事実に気付いたのがパイヘナ企画した後でよかったよ。
企画する前だったら衝撃で二の足踏んだわ。

「・・・大丈夫よ、大丈夫!!緩やかに広がる裾野は、まさに日本の山そのもの!
これこそ大和風景!言うなれば利尻富士!日本の原風景よ!きっとメヘンディで雅なパイ山になることでしょう!」

た、たしかに私のパイはシルエットが和風だわ・・・!!

「K子のパイは濃尾平野、マエダナツコのパイは利尻富士(日本の原風景)、TARAてぃんはマッターホルン(海外)、か・・・。」


マッターホルンのおかげで素敵なパイメヘンディが描きあがったということです。