2012/02/28

痛い


先日、はじめて腰にタトゥーを入れました。


「どうしたら施術中の痛みがやわらぎますかね。」と彫り師のオーシマさんに聞いたら、
「これなめてると痛く無いですよ。」とサクマドロップを渡されました。


・・・つーか ドロップごときで中和される痛みじゃなかったですけどね。


はじめて背中一面に刺青を入れてる人たちを尊敬しましたよ。


「・・正直、ここまで痛いと思ってませんでした。耐えられたからまあ良かったですけど。
 耐えられなくて途中放棄、を一番恐れていたので。」


「ああ、たしかに今日の腰の部位は中枢神経の真上ですからね、痛い部分なんですよ。
 しかも、マエダさんはタトゥいれるの初めてですよね。
 初めての線彫りはタトゥ人生で一番、痛いんですよ。」


「線彫りってなんであんなに痛いんですかね?塗り潰しのところはまあ、それなりなのに。」


「線彫りの部分は針が移動しますからね、皮膚が切られてるような錯覚を起こすんですよ。」


ははあ・・。
彫りの道具の針部分がどうなってるのか見せて頂きたいような気もしたのですが、
体力的にも精神的にも余分なんて米粒ほども無かったので、やめておきました。


「今日、ここにくる前にインターネットで私と同じ部分にタトゥをいれた女性の体験談を読んだんですよ。
 その女性は痛すぎて、途中で吐いたらしいんですよね。
 それ見て、さすがに私もちょっと背筋が寒くなったんですけど。」


「ああ〜〜。吐いた人ならウチのお客さんでもいましたよ!しかも、彫る前に!」


「彫る前に!?」


「そのお客さんは男性の方でしたけど、男の方が痛みに対する恐怖心って強いんですよ。
 施術前にベッドの上で、ちょっとすみませんトイレって言って、
 トイレに間に合わずにちょうどそこらへんで吐いちゃってましたね、ハハ!!」


「あはは!痛みで吐くっていうより緊張なんですかね。」


「そう、精神的なものですよね。」


「痛みで思い出したんですけど、この間、はじめてSMのプロの人に鞭で打たれる機会があって。
 鞭で自分が耐えられる程度の痛みを一定間隔で繰り返し受け続けてると、
 急に気持ちよくなる瞬間があるんですよね。」


「ああ、トランス状態に入っちゃうんですね。」


「ですね。タトゥでもそれを期待したんですけど、ちょっと無理でしたね。
 身を切られる痛さと、鞭の痛さはまたちょっと違いますね。
 私が受けた程度の鞭は、痛さというより刺激みたいなもんで。」


「はあ〜そういえば、知ってます?昔の中国の刑罰かなんかで、
 こんなすごく狭い箱に人ひとり立たせて入れるんですよ。
 身動きできないくらいぴったり狭くて、それで別に何をするわけじゃないんですけど。」


「はあ。」


「そのとじこめられた人間の頭の上にね、不定期に突然、水滴をポタって落とすらしいんです。
 ただそれだけらしいんですけど、いつ、そのポタっが来るかわかんないって状況で、
 人って狂っちゃうらしんですよ。それが洗脳って言葉の語源とかなんとか。」




・・・その方法を最初に思いついた人って変態ですよね。
昔、変態に憧れて自分も変態になりたいと切望した時期がありましたけど、
当たり前ですけどそういうのってなろうと頑張ったところでなれるもんじゃないんですよね。
当然のことですけど。
だけど自分という人間を徹底的に掘り下げて行くと、
意外と既存のカテゴリーには当てはまらなくとも、それに近い要素はどんどん出て来るんですよ。
既存の変態枠に自分を当てはめていくよりは、そちらの方が余程健康的かもしれません。




「まあ、もしやったことが無かったら、鞭はすごくお勧めです。
 はじめの一発で、新たな発見がありますよ、急にそっちに目覚めちゃったりしてね。」


「・・・イヤ、だから、それが怖くて、できないんですよ・・。」


男の人は、みんなそう言いますけどね。


サクマドロップ一個、もらって帰ってきました。








*メヘンディのブログもやっと更新!!













2012/02/23

そこが好き


何かのオタクやマニアやフェチの人の話を聞くのが好きです。


基本的に「好きなもの」に関する話はその人自身が見えるので聞いてて楽しいのですが、
オタクやマニアやフェチに関しては更に深くその人の内面まで突っ込める感じがしていいですね。


先日、友人の糸川さんに「眼鏡フェチ」について語って頂きました。
基本的に「フェチ」っていうのは性的趣向の一種ですから、
糸川さんは女性なので、「眼鏡」あるいは「眼鏡をかけた男性」が好き、ってことですよね。


彼女自ら「フェチ」と自称するからには
あえてここに「フェチ」というものについても説明させて頂きますが、
「フェチ」とは単に「好き」ということでは、決してありません。
この点において、オタクやマニアと混同してはいけません。


「フェチ」とは、単純な「好き」とは一線を画して「執着」や「性的興奮」に近いものです。
また、その執着の対象がモノや衣服の場合は、その服装をさせられるに至ったシチュエーションや
ロールプレイングに対する個人的な執着のことをも差します。


ちなみに私は男の人だと指と一部の体毛が好きですが、
これはあくまで「好き」の範疇に属するものです。
「フェチ」に関しては私は明らかに「民族衣装フェチ」ですね。
昔から何となく気づいていたのですが、去年バリに行って確信を得ました。




「糸川さん、今日の眼鏡はなんか糸川さんの顔にぴったりですよね。」


「ああ、これですね。そんなにすごくいい眼鏡ってわけじゃないんですけど」


「でもなんか、ぴったりですよ。違和感が無いっていうか。さすが眼鏡フェチの糸川さんですね。」


その日、糸川さんは円みのある茶色のフチの眼鏡をかけていましたが、
その眼鏡が驚くほど違和感無く糸川さんの顔上にハマっていたので、
図らずとも私、マエダから眼鏡談義の口火を切ることとなりました。


「実はこれはですね、私のジャスト眼鏡、なんですよ。」


自慢げに微笑む糸川さん。


「いい眼鏡にはですね、ジャスト眼鏡とベスト眼鏡というものがあるんです。
 今の私がしてるのは、私のジャスト眼鏡なんです。」


「・・・ジャスト眼鏡・・・というと」


「ジャスト眼鏡っていうのはですね、その人の顔にぴったり違和感無くハマる眼鏡のことです。
 ちなみにベスト眼鏡というのは、着けることでその人の顔がより良く見える眼鏡の事をいうんですね。
 つまり着けていない時よりも、着けてる時の方が綺麗にまたは格好良く見える眼鏡ってことです。」




・・・なるほど。
てことは ベスト眼鏡ははずした時に若干ガッカリ感が有るかもしれませんね。




「そうですねえ。でもベスト眼鏡にはいつでもすぐ出会えるわけじゃありませんから。
 ベスト眼鏡に関しては出会い、ってもんがあるんですよ。
 まあ、ウチの旦那さんに関しては、眼鏡を買いに行って、
 一番最初に自分のベスト眼鏡を選んだすごい人ではあるんですけどね。」


糸川さんによると、糸川さんの旦那さんは糸川さん同伴で眼鏡を買いに行ったにも関わらず、
眼鏡フェチの糸川さんが選ぶに及ばず、自分で店にあった無数の眼鏡の中から一発で
自分のベスト眼鏡を選んだ強者だそうです。


「あの時は嬉しい反面、悔しかったですよ。私の眼鏡を選ぶという楽しみを。」


「あはは!そうですよね。やっぱり自分の旦那さんの眼鏡ですからね。
 ベスト眼鏡をかけた旦那さんの顔なんて見たらもう嬉しくてたまんないでしょう。」


「はい、そりゃもうあの眼鏡を買った直後はしばらく旦那の顔を見てばっかりでしたよ。
 見すぎて旦那さんも嫌がってましたからね。
 でも、仕方ないんですよ。ベスト眼鏡なんて選んじゃったんですから。
 私があんまりにも旦那さんの顔を見すぎたせいで、
 終いには旦那さんが私の目線を避けるようになってきちゃったりしてね〜。
 ケチケチしないでみせろよ!とか言ってそれでも見てましたねえ、わたし。」


 「はは!でもやっぱり糸川さんみたいに眼鏡フェチの人は、
 そんな風に眼鏡が好きな男性だと一緒にいて楽しいわけですよね。」


「あ〜〜、いえ、それはまた違うんですよ。
 ウチの旦那さんは眼鏡を掛けてるけど、別に眼鏡が好きなわけじゃないんです。
 私、眼鏡掛けてる男性は好きですけど、眼鏡好きの男性は全然好きじゃないんです!
 眼鏡好きの男性なんて、も〜〜!めんどくさくって!!イヤです。
 だって「あっ 俺もさ〜こういう眼鏡が好きで」とか眼鏡について語り合おうとしてきたりするんですよ。
 めんどくさいですよ。別にお前と眼鏡について語り合いたいわけじゃないんだよ!って感じですよ。
 私は別に眼鏡について男性とわかち合いたいわけじゃないんです。
 ただ、眼鏡の男性を鑑賞していたいだけなんです。
 しかも、眼鏡好きな人の眼鏡とか、オシャレに眼鏡を掛けている人の眼鏡じゃなくて、
 「仕方なくかけている眼鏡」っていうのが、一番、いいんですよ。」




・・・仕方なく、掛けている眼鏡。
だんだん話がフェチっぽくなってきました。




「オシャレ眼鏡とかじゃなくて、必要だから仕方なく掛けている眼鏡、ってのが、いいんです。
 下を向いてる時に眼鏡が落ちてきちゃって、めんどくさそうに直してるとことか。」




へえ?


・・・それってなんですかね。


別に眼鏡が好きじゃないけど必要にかられてかける、そんな眼鏡が好きで、
眼鏡好きのオシャレ眼鏡が別に好きじゃないというのは、
なんですかね?
いわゆるチマチマしたオシャレ男がキライという女性はたくさんおりますが、
それってオシャレに気を取られる男というのはモノに支配されてる感があって不自由そうでかっこわるい、
というマエダのそれが嫌いな理由と同じものでしょうか?


てゆうかね〜、基本的にフェチの人って、好きな理由とかなんでもいいんですよね。
何でもいいっていうか、すごく個人的なんですよね。
以前、ハイヒールフェチの男性に話を聞いた事があるんですよ。
ハイヒールが好きな理由って、突き詰めるとなんか深い理由が有るの?って聞いたら、
「別に無いよ」って、その男は言ってましたね。


「おまえ、フェチっていうのはな、
 例えばハイヒールが好きなヤツはそれに踏みつけられたいM願望が有るんじゃないかとか、
 そんなに深いもんじゃないんだよ。
 単純に、例えば小学生とか中学生とか性的な興奮ってものを知り始めた時期に、
 たまたま興奮してる時に眼についた女がハイヒール履いてたとするだろ、
 そうするとその時の興奮が、大人になってからも、ハイヒールを見ると蘇るようになるんだよ。
 ただ、それだけのことなんだよ。
 単純なことなんだ。」


こんなふうに言ってましたね。
まあ、フェチの特質として「個人的」っていうのがまずありますから、
勿論これはこの男のフェティシズム論なんでしょうけども。
 


「ちなみに糸川さん、私も自分のベスト眼鏡が欲しいのですが。」


「はあ。マエダさんのですか。」


「私にはどんな眼鏡が似合うのでしょうか。」


「・・・う〜ん。そうですねえ。似合う眼鏡といっても、
 どういう方向に行きたいのかによっても違いますからねえ。」


「はあ。」


「例えば、オシャレな方に行きたいのか、それとも意外性の方向に行きたいのか、とか。」


「オシャレで意外性のあるのがいいです。」


「どうでしょう。なんかマエダさんには赤いフレームのやつとか掛けてみたい気も。」


「来週、一緒に 眼鏡選び、付き合ってくれませんか、糸川さん。」


「・・・勿論わたしでよければお付き合いしますが、マエダさんは顔がハッキリしているので、
さっき私が言ったベスト眼鏡というのは当てはまらないかもしれませんが。」




じゃあ、ジャストのほうでもいいです。


自分の眼鏡の可能性を知りたいんですよ。


すっごい楽しみにしてるんで、
よろしくおねがいしますね、糸川さん。





ここ数年、愛用の眼鏡☝



2012/02/18

白御飯


帰国してから二週間も経つのに、いまだに舌が日本のゴハンに慣れません。


バリのゴハンは本当に美味しいんですよ。


白米自体も美味しいのですが、それ以上に徹底的に料理が白米に合う味付けになっているんです。
何食べても、白ゴハンに合うんですよ。
ちょっと強めのビシっと勢いのある味付けも、
ココナッツの香りのちょっと甘めのやさしい味も、とにかく何でも白ゴハンに合うんです。


マエダは普段、三食きっちり白ゴハンを食べる事は稀なのですが、
バリでは普通に普段の二倍くらいの量の白ゴハンを毎食食べていました。
バリ特有の色んな匂いと味の入り交じった強いバリゴハンの味が、
未だにマエダの舌を支配してやみません。




・・・もっと 強い味の ゴハンが食べたい!!




と、洗練された淡い日本食の味を忘れた舌が叫びます。


というわけで、今日はこんなものを買って帰ってきました。




崎陽軒のシウマイ弁当。


以前、妊婦の友人がつわりの時期に
「アマジョッぱいアイツが食べたい!」と買い求めたという、このシウマイ弁当。
アマジョッぱい、というのはこの中の筍煮のことらしいのですが、
その友人が口にした、「それにしてもなぜこんなにゴハンが進む味付けなのか・・・」
というくだりが忘れられず、今回マエダ初の購入に至ったわけで。


ムム。このおべんとう・・・。


なかなか いけます。


もともと崎陽軒のシュウマイに全く興味のなかった私ですが、
シュウマイはもとより、このおかずのセレクトがなんともストイックでいいですね。
好感度が高いです。マエダ的に。
だって、残したくなるものがないじゃないですか。
余計なものが無いんですよ。
これが最低限かつベストのおかずセレクトなんです。
この真ん中のアンズはいらないと言う人もたまにいるらしいですが、




いりますよ!!




この甘酸っぱさがないと、なんだか締まらないじゃないですか。
このアマジョッぱいおかずを食べたあとに違和感無く食べられるちょっと甘い味、
って考えると、このアンズ以外には考えられないと思うんです。


それにしても、こういうゴハンが進むおかずというのは、
白ゴハンとの配分を常に計りながら食べるという無邪気な楽しみがあるのがまた嬉しい。
なぜだかそれが無性に楽しい。


この「アマジョッぱいアイツが食べたい」と言った妊婦の友人は、
スピリチュアルカウンセラーという普通の人には眼に見えない存在から
メッセージを受け取り伝えるという仕事をしているのですが、
うどんなど麺類を食べている時に無心の極みで瞑想状態になり、
その時にメッセージを受け取るということがままあるらしいです。
勿論お客さんの前でうどん食べてるわけじゃないですけど。


今回、マエダがこのシュウマイ弁当で白ゴハンとおかずの配分を考えながら食べている状態も、
この「無心」状態と近からずも遠からずと私はみました。
無邪気なもんです。


配分に関しては私、このアマジョッぱい筍煮と左上の昆布と紅生姜でゴハン半分くらいいけました。
グリンピースがシュウマイの肉の中に埋まっているというフェイントは青豆嫌いの私には泣けましたが、
一見 無意味に思えるこのピンクのかまぼこもいい箸休めです。
さすが老舗、崎陽軒。
いい歳の取り方してるねえ。


たまにはこんなゴハンもいいもんだね。













2012/02/11

大人の遊び part 2


                 恒例のビジョンマップ!

ビジョンマップとは雑誌などから自分の好きな写真や絵や言葉などを切り取って
コラージュの要領で紙に貼付けるという作業的には単純なものでありながら、


自分の潜在意識下の願望などを視覚化するというちょっとセラピー的な超楽しい大人の遊びです。

なぜか自分でもわからないのですが今回はすごくトーテムポールが貼りたくて・・・。
実際トーテムポールは貼ったのですが、出来上がった作品を見てみたら
中央に一直線にトーテムポールも含めて顔のようなものが並んでいる、という
それ自体がトーテムポールのような奇妙な作品ができあがりました。
一体 トーテムポールってなんなんだ?
と 思ってトーテムポールをネットで調べてみたら、画面に並ぶ大量のトーテムポールの
画像が怖すぎて、それ以上調べられませんでした・・・。

そして、今回も他の友人たちのビジョンマップを勝手に紹介!


私の美術学校時代からの友人の作品です。
この友人、学生時代は渋派手な和柄を粋に着こなし、
酒とジャズを愛するヤクザな女でした。
今でもその片鱗が右端の五重塔を遮る龍のような松明に垣間見えます。
中央の朱の盆も含めて、静かだけど情熱的ですよね。ちょっと怖い。
こういう情熱って突き詰めると、
もうちょっと重い「情念」とか「死」に向かって行くような。
まあ、単純にアーティストとしての彼女の世界観の問題だと思いますが、
五重塔の下のふたりの男女もほのぼのってゆーより・・・
だって崖っぷちだし!「新しい旅に」ってどこに!?
ずっとこの作品をしげしげ眺めていたら、ちょっと私は、ゾクリとしました。



次は、春に出産を控えた妊婦さんの作品です。
この方の今までの作品にずっと漂っていた「非現実感」がホントに綺麗に抜けたなあ。
という感じがしました。あと、ホントに勝手な印象ですが、
すごく「いま、ここ」な感じがして、
無理な願望とかが無くて、ナチュラルだなあ。と。
おかあさんになるって、そういうことなのかもね。


毎回楽しみにしているこのビジョンマップ作りですが、
私にとって、このビジョンマップは、その名のごとく私が進むべき道の「地図」です。
言葉にならないものが、たくさんそこに詰まってる。

毎回、企画して頂いている西八王子のサロン「komolebi」の豊田さん、
今回もありがとうございました!





2012/02/09

関係



「このあいだ、私、始めてSMのプロの人に縛ってもらったんだけど。」

先日、友人、ねえさんと新大久保で韓国料理を食べました。
ねえさん、とは言っても、私の姉でもなければ誰か友人の姉でもありません。
ひとつ年上の、学生時代からの友人です。
年がひとつしか変わらないのに、なぜか世話をされることが多いが故にいつしかそう呼ぶようになってしまいました。

寒空の下、新大久保駅改札を出て右手に大久保通りを、お互い近況報告をしながらふらふら歩き、
適当に眼についた店に入りました。

「・・・そういえばなっちゃん、前からプロに縛ってもらいたい!って言ってたよね。」

「うん、M友達の紹介でそういう人に会ってさ、結構その道では有名な加賀さんって人なんだけど、
 やっぱプロはすごいね。会った瞬間にオーラを感じたよ。」

「で、どうだった?」

「うーん。もともと私、SでもMでもなくノーマルだって自分でわかってたんだけどさ、
 それでもなんかこの世界への関与が諦めきれなくてね、今回 縛ってもらったんだけど、
 やっぱり、私は縛りにはあんまり興味ないってわかったよ。
 イヤじゃないんだけど、何にも感慨はないってゆーか。」

「ふうん。じゃあ、気がすんだ?」

「いや・・・。縄はどっちでもいいけど、意外と鞭は好きなことが判明しました。」

「ああ〜なるほど。鞭、ふるう方?」

「どっちも。やるのもやられるのも。あの、振った時のヒュンって音がスキ。
 緊張感を煽られるんだよね。
 あの鞭ってさ、意外と音がしっかり鳴るわりには痛く無いんだけど、
 強く叩けばそれはそれでやっぱり痛みはあるんだよね。
 でもその痛みがさ、なんか瞬間的で持続しないの。
 だから、打たれるたびに、もっと強くても耐えられるかも!とか思っちゃって、
 もう一回!!って挑んじゃうんだよね。」

「・・・はあ? それって挑んで何かをクリアしていくものなわけ?
 SMってそういうものだっけ?」

「いや、違うよ、挑みたがるのは私の個人的な趣向かと。
 なんかさ、痛みを受ける時って、ものすごく精神がその痛みに集中するんだよね。
 頭はすごいクリアになるし、自分が耐えうるギリギリのレベルの痛みまで挑みたいという、
 妙な向上心と集中力が湧いて来て、ものすごいハイになるんだよ。
 なんか、滝行とかってこんな感じじゃないのかな。
 あっ 筋トレにも似てるかも。耐えうるギリギリの負荷を求めるあたりが。
 何にも考えられなくなるくらい集中することって普段なかなかないしね。」

「てゆーか それってなっちゃんはMじゃないだろう・・・」

「うん、そうなんだよね。私にとっては鞭って精神的な筋トレっぽい感じかも。
 終わった後、ハイを経てなんか超スッキリしてるし。
 M友達のゆうきちゃんってコがさ、
 縛られた縄とか鞭の痕が翌日残ってると嬉しくなるって言ってたんだけど、
 その気持ちがちょっとわかるわ。
 私、もともと腕が内出血しやすくて、腕だけ縄の痕がくっきり残っちゃったんだけど。」

「てゆーか・・・痛く無いの?縄はともかく痕が残るくらいの鞭なんて。」

「いや、痕が残るくらいまで強くやると、さすがに痛いらしいよ。
 ゆうきちゃんいわく、ドスッ!って音がしないと、痕は残らないらしいけどね。」



・・・・。


しばし、白菜キムチとのり巻きを食むふたり。




バリ料理で刺激されまくった舌が未だにスパイスを求めるのでこの日はわざわざこのねえさんを誘って
韓国料理を食べに来たのですが、意外と韓国料理って味がマイルドだと始めて知りました。


「てゆーか、なっちゃんさ、SでもMでもないのに、一体 縛られて打たれて、
 最終的にどうなりたいの?てゆーか、最終的にどうしたいわけ?」


・・・う〜ん。

実は自分でもよくわかんないんですよね。
でも興味が赴くということは、ある程度自分にとって重要なことかとも思うのですが。

なんか、私にとってSMって、セクシャルな遊びである以前に、
SM的な人間関係に在り方に昔からとても興味があるんですよ。
なんで主従関係なの?なんで痛いのが気持ちいいの?みたいな。
惹かれるのはそのへんですかね。

「いや〜。自分でもよくわかんないんだけどさ、だからこそその世界に片足でも突っ込んでみれば
 少しくらいはなんかわかるかも知れないな、と思って。そんな感じなんだよね。」


てれてれ光る春雨を箸で弄びながら、なんかちょっと、呆れ顔の、ねえさん。
今まで、このねえさんの呆れ顔を一体何度見て来たことか・・・。
まあ、なっちゃんがいいなら、いいけどね・・・みたいなね。


「てゆーかさ、なっちゃん、一応、 心配してんだよ?」


ですよね。

てゆーか、なんか、心配されるのって、なんか嬉しいもんだなあ。

ねえさんに呆れられるのって、私なんか好きなんです。

ちょっとだけねえさんに馬鹿にされながら、世話されるのも、なんだか嬉しいんです。

この関係も、なんだかちょっと変ですけどね。



2012/02/07

コレが好き



今回のバリ旅行で、「コレ、いいな〜〜!!」と実感したもの。


それは「トイレ」です。


大体、女性が海外に、特にアジアに行くにあたって気になるポイントだったりしますよね。トイレ。


とにかく、綺麗で清潔じゃなきゃいやなの!
だって私、日本人だし!


よく、日本が外国に誇れる物のNo.1にトイレが挙げられていたりしますが
それくらい日本のトイレってすごいってことですよね。
日本人って気質的に追求型の凝り性なんですかね。これも職人気質っていうんでしょうか。
なにに関しても「まあこれくらいでいいかな」みたいな妥協がないですよね。


まあそれに比べるとこのバリのトイレってやつは


当たり前ですが温かい便座なんてものも無く、というか便座ってモノ自体が無く
形は日本の和式に近いのですが、勿論ウォシュレットも無ければ自動で蓋が開いたりもしませんし、
トイレットペーパーもなければ、そのうえ水を溜めるタンクすらありません。
水洗ですが、手動なんですよね。
横に水を溜める桶があって、自分で水を汲んで、ザバっと流すのです。






日本のトイレに比べたら、その構造においては何十年もの差が有る気がします。






だけどね






これが、妙に快適なんですよ。






最初はちょっと抵抗があったんですけどね。
使い出したら眼から鱗ですよ。


まず第一に、全然、不潔じゃないんです。
不思議なんですけど、バリって町中でご飯とか食べてると蠅とか虫が平気で群がるのに、
トイレには虫がいないんですよね。
多分、毎回使用するごとにザバザバ水を打つからですかね?
便器も至って綺麗なんです。
臭いも無いし!
基本トイレットペーパーは使わないので、水でじゃばじゃば洗うのですが、
それも慣れるとすっきりして超快適!


てゆーか、トイレットペーパー使わないから余計なゴミも出ず、この清潔さが保たれるのか?


そして私が一番感動したのが、
便器自体の作りが、超 単純な事!!


基本的に、日本の様式トイレは便器、便座、タンクの3つのパーツからできていますよね。
バリ式は、便座もタンクも無い超シンプル構造。


シンプルってことは、掃除が楽ってことですよ。
死角が無いから、汚れを見逃すこともありません。
汚れが有ったら、ザバッと水をかけて流せば良いだけの事です。


ちなみにトイレ使用後に水で流す時も、
横の水を溜めてある桶から手桶で水を汲んで、ザバっと流します。
ちょっと流せばいいって時は手桶に半分ぐらいを軽くザバっと。
しっかり流したい時には手桶で数回ザンザン流します。


この、自分で水の量を調節できるっていうのが、私にとっては革命的!
慣れてくると、少ない水で上手くサクっと流せるようになってきます。


おそらく、この土地において一番機能的な形ということなんでしょう。
バリ人がいくらお金持ちになっても、一般家庭に洋式トイレは普及しないとみました。


まあ、この快適さは常夏のバリだからこそだとは思うのですが、
ぜひ、みなさまバリにご旅行の際には一度は経験して頂きたい、このトイレ。


でも観光客のよく行くレストランやホテルはほとんど洋式トイレですけどね。
ただ、最高級のトイレの国で生活する私たち日本人にとっては、
どの洋式トイレも見劣りして古くてなんだか汚なく見えちゃうと思うんだよなあ。


ちなみに、基本的にホテル以外はシャワーも無ければお湯もでないので、
身体を洗う時はこのトイレ横の桶から水を汲んでばしゃばしゃ水浴びします。


はじめてお湯ではなく水で髪の毛を洗いました。


起きてすぐ、夜がまだ開けぬ早朝4時からばしゃばしゃ水浴びをして


「やっぱり、朝は水浴びるには寒いわ。」とバリ人の友人に言ったら、


「ハハ!日本ミタイ??」と、ジョークを言われたので、


つーか日本の寒さはこんなもんじゃないんだよ!!


と言っておきました。


常夏の南国人には、この今年の日本の寒さ、


わかんないんだろうなあ。











2012/02/05

ただいま!


二度目のバリ島から帰ってきました。

今回は写真をいっぱい撮りたかったのですが・・・
ずっとバリの人たちの宗教的な儀式や日常生活のなかにいる事が多かったので、
なかなかカメラを手に撮る気分にもなれずほとんど写真が撮れませんでした。

カメラって、大好きだけどなんか下世話なところがあるんだよなあ。
特に人がいる場合、うまくやらないと空気が壊れるんだよね。

今回は、寝るのも食べるのも遊ぶのも、ずーっとバリ人の人たちと一緒でした。
バリの人たちは凄く外国人や旅行者慣れしているので、
こちらも全然気を使わなくていいからかなり楽。
無視しないけどムリにかまってもこない。
そこらへんの距離感が絶妙なんです。


恒例の、チキン料理!
鶏を絞めるのを見るのは、一度目はかなり衝撃的でしたが
二度目は全然平気でした。
私も、そのうちやってみたいなあ。



基本的に、宗教的なお祭りの時の料理は男の人の仕事だそうです。
このチキン料理は今回バリにいる間も何度も食べましたが、
家によってちょっとずつ味が違う。
それもまた楽しい。


バリのお父さんはみんな子供と超仲良しです。
バリの男の人は、なんだか子供をあやすのがみんなすごく上手い。
これもコミュニケーション能力というのでしょうかね?
子供もお父さんにずっとくっついてる。

このチキン料理以外も、今回はいっぱい美味しい物を食べました。
やっぱり美味しい物は現地の人がよく知ってる。
本当に、どこで何を食べても美味しかった。

サヌールの魚料理。


ナイトマーケットで。


海辺で。
辛いけど、辛いのがすごく美味しいの!
バリの料理は色んな香りや味がして、なんだかパワフル。
すごく味に勢いがある。
果物も、日本のように全て甘くて美味しいってわけじゃないんだけど、
それがまた、なんだか悪く無い。



ガルンガンという大きな祝日の前日。
みんな都会から故郷の田舎に帰ってきます。
日本で言う、お盆みたいな感じかな?
そして朝の6時くらいから男性陣が集まって道ばたで料理が始まる・・。




バリ料理、豚肉のサテ。




私も手伝いました!


できたらその場で作ったみんなで食べます。
まだ朝の八時前なんですけどね・・・。


バリ人は早起きなんだろうか?
私ももともと朝型なので、バリにいる間はいつも4時くらいに朝起きてました。


そして、ガルンガン、当日。




こんなコテコテなバリ人の正装クバヤを友人が用意してくれていました!
こんな派手なの私、着こなせるだろうか?
と一瞬不安になりましたが・・・


実は私、意外とこういう派手なのイケるんです!!


昔から顔がバリ人だとかトルコ人だとか言われるような
アジア系の顔してるんで。


この日はみんなこのクバヤを着て、朝からいくつものお寺にお参りにいきます。
実は、このお参りが最高に気持ちよくて楽しかったのですが、
なにせ雰囲気が厳粛なもので、さすがに写真は撮れませんでした。


なので、翌日、私が一番気に入った海の近くのお寺に再参拝して
ちょっとだけ写真を撮ってきました。




海の音が聴こえる場所。


私は昔から「宗教」というものにすごく惹かれる部分があって、
高校生の時にニーチェのキリスト教論の話を聞いた時から、
「宗教って、何なんだろう?」
とずっと考え続けてきた気がします。


「なんで、人間は自分たちが作った宗教というものにこんなに支配されるんだろう?」


かつて人間がなんで宗教を必要としたのか、
それを自分なりに納得のいく答えを知りたいと思っていました。


それがわかったら、
宗教が引き起こす対立などの人間の不幸の意味もわかるんじゃないかと。
人間のことが、もっとわかるんじゃないかと。


そうはいっても私にはまだ、宗教に関してはわからないことがいっぱいあります。
だからまあ、大した事は言えないのですが。


でも正直、今まで自分が好きと思える宗教に出会った事はなかったけど、
なんだか、このバリヒンズーは、ちょっと好きだなあ。


バリヒンズーって、基本がアニミズムっぽいですよね。
ちょっと日本の神道に近い気がしますが、実際はどうなんでしょう。


アニミズムのような自然崇拝というのは、一番人間にとってしっくりくるように、
私には感じます。


人は太陽に支配されて太陽を畏れながら、生きる。


それが多分、人間の位置。


輝くものに支配される喜びを、その小さな身体で、感じるために。