2012/02/28

痛い


先日、はじめて腰にタトゥーを入れました。


「どうしたら施術中の痛みがやわらぎますかね。」と彫り師のオーシマさんに聞いたら、
「これなめてると痛く無いですよ。」とサクマドロップを渡されました。


・・・つーか ドロップごときで中和される痛みじゃなかったですけどね。


はじめて背中一面に刺青を入れてる人たちを尊敬しましたよ。


「・・正直、ここまで痛いと思ってませんでした。耐えられたからまあ良かったですけど。
 耐えられなくて途中放棄、を一番恐れていたので。」


「ああ、たしかに今日の腰の部位は中枢神経の真上ですからね、痛い部分なんですよ。
 しかも、マエダさんはタトゥいれるの初めてですよね。
 初めての線彫りはタトゥ人生で一番、痛いんですよ。」


「線彫りってなんであんなに痛いんですかね?塗り潰しのところはまあ、それなりなのに。」


「線彫りの部分は針が移動しますからね、皮膚が切られてるような錯覚を起こすんですよ。」


ははあ・・。
彫りの道具の針部分がどうなってるのか見せて頂きたいような気もしたのですが、
体力的にも精神的にも余分なんて米粒ほども無かったので、やめておきました。


「今日、ここにくる前にインターネットで私と同じ部分にタトゥをいれた女性の体験談を読んだんですよ。
 その女性は痛すぎて、途中で吐いたらしいんですよね。
 それ見て、さすがに私もちょっと背筋が寒くなったんですけど。」


「ああ〜〜。吐いた人ならウチのお客さんでもいましたよ!しかも、彫る前に!」


「彫る前に!?」


「そのお客さんは男性の方でしたけど、男の方が痛みに対する恐怖心って強いんですよ。
 施術前にベッドの上で、ちょっとすみませんトイレって言って、
 トイレに間に合わずにちょうどそこらへんで吐いちゃってましたね、ハハ!!」


「あはは!痛みで吐くっていうより緊張なんですかね。」


「そう、精神的なものですよね。」


「痛みで思い出したんですけど、この間、はじめてSMのプロの人に鞭で打たれる機会があって。
 鞭で自分が耐えられる程度の痛みを一定間隔で繰り返し受け続けてると、
 急に気持ちよくなる瞬間があるんですよね。」


「ああ、トランス状態に入っちゃうんですね。」


「ですね。タトゥでもそれを期待したんですけど、ちょっと無理でしたね。
 身を切られる痛さと、鞭の痛さはまたちょっと違いますね。
 私が受けた程度の鞭は、痛さというより刺激みたいなもんで。」


「はあ〜そういえば、知ってます?昔の中国の刑罰かなんかで、
 こんなすごく狭い箱に人ひとり立たせて入れるんですよ。
 身動きできないくらいぴったり狭くて、それで別に何をするわけじゃないんですけど。」


「はあ。」


「そのとじこめられた人間の頭の上にね、不定期に突然、水滴をポタって落とすらしいんです。
 ただそれだけらしいんですけど、いつ、そのポタっが来るかわかんないって状況で、
 人って狂っちゃうらしんですよ。それが洗脳って言葉の語源とかなんとか。」




・・・その方法を最初に思いついた人って変態ですよね。
昔、変態に憧れて自分も変態になりたいと切望した時期がありましたけど、
当たり前ですけどそういうのってなろうと頑張ったところでなれるもんじゃないんですよね。
当然のことですけど。
だけど自分という人間を徹底的に掘り下げて行くと、
意外と既存のカテゴリーには当てはまらなくとも、それに近い要素はどんどん出て来るんですよ。
既存の変態枠に自分を当てはめていくよりは、そちらの方が余程健康的かもしれません。




「まあ、もしやったことが無かったら、鞭はすごくお勧めです。
 はじめの一発で、新たな発見がありますよ、急にそっちに目覚めちゃったりしてね。」


「・・・イヤ、だから、それが怖くて、できないんですよ・・。」


男の人は、みんなそう言いますけどね。


サクマドロップ一個、もらって帰ってきました。








*メヘンディのブログもやっと更新!!