2015/06/10

幹と軸

photo : maeda natsuko
 「強くなりたい」と友人のヨーコちゃんは言う。

「よく多くの女の人たちが憧れるような母性とかの女性性の強さ、じゃなくて、私は男性的な強さが欲しい。身体的にも、精神的にも。」

ヨーコちゃんはいわゆる戸籍・身体的にはフツーに女性であるのだが、
先天的にか後天的にか定かではないけれど、
自分の中には「男の自分」と「女の自分」がいるという。
その両極端な自意識が、日によって、あるいは場合によって、自分の中で変わるそうだ。

「朝起きて化粧をしてると、なぜかすごく女としての化粧している自分に違和感を感じることがある。かと思えば、男に恋し愛されている時には非力な女として肉体的にも精神的にも男に頼ることに酔う快感も感じることもある。小学生の頃は肉体的に「強くなりたい」から剣道を始めたし、高校生になっても剣道部で馬鹿みたいに身体を鍛えて筋肉がついていくことに快感を感じていた。私はずっと、男の身体の強さに憧れているし、それに加えて父性的なものまで手に入れたい。かと思えば、私は女としての自分の身体で、男を誘惑する快感も知っている。私の中ではいつも、自分は男の性と女の性の間を振り子みたいに行ったり来たり。自分で自分の性別のあり方も解らないのに、単に私の女の外見だけで私を女だと決めつけられるのも気に食わない。男とか女とか、そんな言葉で人間を、括らないで欲しい。」

男と女の自意識の間を振れ続けるヨーコちゃんは、
私には少し不安定に見える。

っていうか私のメヘンディのために躊躇無くがっつり脱いでくれる彼女の、
どこが不安定で強く無いのだと思わなくもないけれど
自分の中の性別が変わることで求めるものが日々変わるという心もとなさと、
周囲と自分の意識の落としどころを探している不確定さが、
なんとなく私にはそう感じるのかもしれない。

とはいっても、正直私にはよくわからない。

なぜなら私は自分のセクシャリティにもジェンダーにも
悩んだことが無い生粋の女だからね。

身体で解り合えることは多い。
女同士の考えることがなんとなく解ってしまうように、
男が普通にやる行動を理解できずに腹立つこともある。

だけど、解らないことや想像しにくいこともあるけれど、
だけど私はヨーコちゃんの求める「強さ」がなんとなくだけど
解るような気もするんだよね。

解る気もするんだけど説明しようとするとなぜだか気持ちが白けるので
とりあえずは純粋に「私が、強く美しいと感じるヨーコちゃん」をイメージして
メヘンディを描いて写真を撮ってみた。

ヨーコちゃんは男前に躊躇無く服を脱ぎ、潔く私に身体を預けヘナで絵を描かせてくれる。
そして女体の美しい曲線を活かし、いかにも女、なテイでカメラの前で身体をたわめる。

不思議なんだが、その時のいかにもセクシーなヨーコちゃんの振る舞いは、
女というよりも、たとえばニューハーフの方々がシナを作る時のような、
一種、異様な独特の綺麗さがある。
綺麗なんだが、どこか過剰でわざとらしい。
「ほーら、わたし、おんなよ。」って、身体全体で主張しているみたいに。

そんなヨーコちゃんに私が思う「強い」メヘンディを描いてみた。

どんな「強さ」が欲しいかは、人によって色々あると思うのだけど
私が「強さ」と聞いてまず思い浮かぶのは身体の「正中線」。

整体で言う、身体の背骨のラインのことね。
ていうか、背骨だけじゃなくて、頭のてっぺんから踵まで
地面から垂直にまっすぐ伸びる線のことね。

正中線がキッチリ立ってる人は堂々として美しく見える。

女でも男でも美しく見える。

正中線の、お臍の下あたりに力を込めれば肉体ががっちりと座り、立つ。
正中線の、胸のあたりに意識を込めれば気持ちが、精神が決まる。

女がシナを作って身体をたわめても、
たわめた線が美しいのはそこに、重力に逆らい大地に根を張る
まっすぐな線が見えるから。

曲線が綺麗に見えるのッて、人がその裏っ側に
まっすぐな重力の線を見ているからだと思うんですよ。
植物の蔓や樹の枝が甘美な線を描いて伸びて行くのと同じように。

やはり、人の美しさッていうのも、
まずはここだと思うんです。

photo : maeda natsuko

2015/05/26

アマノさん


SM用革製品専門の職人、アマノさんに知人の紹介で会ってきました。

フツーに私鉄沿線の駅前の、フツーの商店街の一画に、
フツーにアマノさんのお店はありました。

アマノさん本人も想像以上にフツーに感じのいい方で、
「どうぞ」ってガラガラとドアを開けてくれました。

まあ、ドアを開けたその中は鞭やら拘束具やら
アダルトグッズだらけの革工房でしたが。


「ウチにはSMに限らず本当に色んな趣味のお客さんが来ますからね。
 こういう商売してると、人によっては鞭ばかり作って売ってるように思われることもありますけど、
 SM用の鞭とかはせいぜい全体の商品の二割にも満たないですよ。
 色んな性癖を持つ人がはるばる来店してくれて、それぞれの注文にあわせて、
 色んな道具を作るんです。」


別に鞭ばかり作ってるわけじゃないとはいうものの、
店内にはずらり様々な鞭の数々。

うわ〜。

たまんない。

やっぱり鞭っていいなあ。
革のヌメっと光る感じといい、動物のシッポみたいに重く軽やかにたわむ感じといい。

まあ、だけどこれだけが全てじゃないっていうのは私もわかる。
性癖っていうのは本当に人それぞれだから。

アマノさんは最近注文で作ったという吊り用の念入りに頑丈に仕立た足枷や、
頭部全体を覆うマスク、自分では取り外しのできない掌まで覆う手枷や
男の局部をくるむ針付きの革のケースなど様々なものを机の上に出してみせてくれた。

「今は無いけど、よく問い合わせがくるのが貞操帯ですね。
 革製のは実用性がないんですけどね、やっぱり貞操帯って名前だけで、
 欲しい人は欲しいって思うみたいで。」

へえ。

そういえば、別の革職人さんも鍵付きパンツの依頼が来たことがあるって言ってたな。
しっくりこなくて断ったって言ってたけど。
世の男性はそんなにも女の下半身が心配なんでしょうかね?

「いや、今は大体が、男性用の商品ですけどね。M男とかゲイの人向けの。」

あ、そうなんだ・・・。

とにかく本当に、色んなものをつくってるらしいです、
このアマノさん。

中には寝る時に装着する革用のマスク(色違い二種)とか
一体どこに性的興奮を覚えるのか私には理解できないものまでありましたが。


「道具を売る時にはね、遊び方を教えてあげるといいんです。」

へえ。

「たとえばですけど、バイブを使って外で遊ぶとしたらどうします?」

「バイブですか。ありがちですけど、遠隔操作可能なバイブを女の局部にしこんで電車に乗せてスイッチオン、オフしながら女の反応を見て楽しむとか、そんな感じですかね?」

「そうそう、一般的なとこだとそうですよね。」

「他にありますかね?」

「あのね、女の子の上着のポケットに、ただバイブを入れて、
 それをただ鳴らし続けるんです。それこそ、電車の中とかでね。」


・・・・うっわ。


「それ、すごい恥ずかしいですね。」

「でしょう。自分じゃ止められないんですよ。鳴りっぱなしです。」

それはやる方から見たら大変楽しそうですけど、
こういっちゃなんですけど私、余分な羞恥心とか持ち合わせていないんで、
やられるのはごめんです。
でも、責め方としてはシンプルにポイントだけ突いてる感じがとても好感が持てますね。

「まあ、だけどやっぱりSMといえば鞭、みたいな先入観も初めはありますから、
 鞭は初心者には人気がありますよね。」

ああ、そうですよね。
私も好きです。
鞭はビジュアル的にそそるんですよね。

だけど、鞭を振るうのってそこそこ広い空間が必要だし、
打つのもそれこそちゃんと練習しないとうまくは打てないんですよね。
知人は夜の公園でひとり大きな鞭を振るうという変質者的な練習をしていたそうですが、
まあ、そうでもしないとなかなか練習場所もないってことですよね。

「ああ、今はね、体育館とか借りて鞭の練習会とかもあるんですよ。
 僕も見に行ったことがあるんですけど。」


え?

そうなの?


「もしかして、よくある緊縛練習の縄会みたいな感じのヤツですかね?」

「そうそう、まさにあんな感じです。」

「みんなで、サークル活動みたいに和気あいあいと縄で縛る練習とかするんですよね。
 私も参加したことありますけど、基本の後手縛りから吊りができるようになるまでの
 カリキュラムがちゃんとあって、みんな頑張って通って練習して試験とか受けたりするんですよ。
 生徒でも、結構できるようになってくると次は講師になっちゃったりしてね。」

「そう、僕はアレ見て、金儲けうまいなあ、って思いましたよ。
 まあ、鞭の練習会もそんな感じなんですけどね。」

「ああ、金儲けって言えば、たしかにそうですよね。
 だけど、そういう型にはまったカリキュラムをこなしていくことに達成感を感じているような人たちが、
 縄や鞭をうまく使いこなして他人とセックスできるとはとても思えないんですけど。
 だって、こう言っちゃなんですけど、そういう練習会に来ている男って、
 大概セックスがヘタそうなプワっとした男ばっかでしたよ。
 まあ、あんまりよく覚えてないですけど。」

ってゆーか、ああいうとこでちまちま縄の練習を楽しんでる時点で、
ボクはセックスがヘタですって言ってるようなもんだと思うんだよね。
ああいうものって、習うもんじゃないと思うんだ。
まあ、ただオナニーで楽しむだけの縄フェチならいいんだけどさ。

「うん、だから、そういう練習会で出会った人同士が、じゃあ、
 今度二人っきりでプレイしようか、って話になってどこか別の場所であったとするでしょ。
 そういう人にかぎって、二人っきりになったとたん何もできなくなっちゃったりするんですよ。
 それ以来、もう会わなくなっちゃって、みたいな話もよくききますよね。」


ききますね。


結局、ある人々は、
ひとつの場所でなにかを共有しながら仲間や場所をつくるのが好きなんですよね。
みんなで和気あいあいと仲良しごっこがしたいんですよね。
てゆーか、本来、自分の性癖に関することって、
そんな風にみんなと楽しく共有するようなことなんですかね?

そんなに和気あいあいと縄の練習するくらいなら、
みんなで楽しくセックスすればいいのに。

そっちの方が余程ピースフルだと思うんですが。

「だから、最近はもうSM系のハプニングバーとかって珍しく無いですけど、
 そういうとこでも大体、みんな同じような思考を共有できる客たちだけで成り立ってたりするんですよ。
 みんなで、『ボクらってこういう人だよね。』みたいな思考を共有して、仲間意識を持つんです。
 たとえばですけど、『ボクらはSMは好きだけど、スカトロ、あれはナシだよね〜!』
 みたいな思考に同意しあって、みんなで仲良くしてるんです。
 本来はそういう場所って、マイノリティの集う場所だから色んな人種がいて当然だと思うんですけど、
 今はなんていうか、排他的ですよね。
 まあ、ホントのマニアなんて色んなことに興味もって、色んなことやってるから、
 ウンコシッコでフツーにいくらでも遊べるんですけどね。」


「・・・スミマセン。
 私もスカトロはまだ興味ないんです。
 だけど、そう言われると、死ぬまでに一度はやってみたいって気になりますね。」

羞恥心も背徳心も無いこの私が、
どうやってそこらへんを楽しむかは今の段階ではまだ未知ではありますが。


「さすが!興味の幅が広いですね〜!」


いや、なんか興味っていうか、
やったことがないのが悔しいような、変な気持ちになってきました。

まあ、その前に色々やらなきゃいけないことも多いんで、
すぐにはあれですけど。


「今日は、色々お話してくださって、ありがとうございました。
 今度は何かお買い物しにきますね。」

実は、このお店、ウチから結構遠く無いんです。

アマノさんとも実は自宅が近所同士だということも判明しました。


「今度、ウチの近くで見かけたら・・・声、かけますね(笑)」


帰り際、
名刺替わりという名前入りのコンドームをふたつ、
もらって帰ってきました。






2015/05/19

近況


photo:三輪浩光 model:椿ヨーコ doll:八裕沙

いわゆるブログっぽく近況です。

最近、有り難い御縁が重なり女体にメヘンディを描く機会がつづいております。

いや、もうこれは、すっごい楽しいです。

やるたびに欲が出て、もっと、次はこんなのがやりたい、と切りがない感じ。
撮影して頂いた写真はそのうち少しずつブログにもアップしていきますね。

女の人の身体にメヘンディを描いている時は、
特に私の手で美しい作品を創ってやろうとかそういう感覚はあまりなく、
すでに美しい肉体を目の前に、
ただ、女性の円い身体の線を邪魔しないように、
体温やぬめりを感じられないような、ただの人形にしてしまわないように、
そんなことだけを考えながらメヘンディを描いています。

昔から、絵を描く前の、まっさらな白い紙が好きです。
絵を描いていくごとに、余白の白い紙の表情が変わる、
あの感覚が好き。

何かを表現したいというよりかは、
私にとっては単なるオナニー的な女体讃美なのかもしれません。



すごいやつではないですがカメラも購入したので
そのうち自分でもヌードメヘンディの撮影をしてみようかと計画中です。
手始めに、まずは来月初めに関西で。

なんかもう、とにかくなんでもやりたくなっちゃうのよね。
急に飽きたりするくせにね。
だけど飽きるわりにはやめないから、意外とやめずに長く続けてることも多いのよ。

そんなわけで
マエダのメヘンディのために脱いでもいい!と思ってくださる奇特な方はぜひ一報を。
ヌードモデル募集しております。
こう言っちゃなんですが、わたしヌード写真は綺麗に撮る自信がありますので、
損はさせない自信はあります。

そんなわけでどうぞよろしく。

いろいろ思うところも多い最近で、ブログに書きたいことも溜まってきてるのですが
なんだか私の中のアウトプット用の言語処理機能がうまく働かない最近です。
そのうちまとめて書けたらいいなとおもいます。





2015/03/21

豊胸


別にやらないですけどね。

「実際、豊胸手術ってどうなんですかね?」

ちょうど前回のブログを書いた直後に美容整形外科の看護士をしているというお客様がみえたので、聞いてみたんです。

・・・いや、別にやらないですよ、私は。

だけどね、ホラ気になるじゃないですか。
実際、世の中にはパイにシリコンバックとかヒアルロン酸とかいれたりする方々もいるわけでしょ。
図らずとも私もこの歳になって自分のパイが永遠に十代、二十代のままではないと思い知ることになったわけですから、いままでは全くもって理解不能だった豊胸手術をする方々の気持ちに思いを馳せることができるようになったわけです。
イヤそりゃね、全くデメリットがないなら私だってやりたいですよ。
そりゃそうですけどね。

「あ〜〜!やめたほうがいいと思います!あれはやらないほうがいいとおもいます!
 だって、術後、本当にみんな痛くてつらそうだもん!」

・・・あ、将来のメンテナンスがどうとかじゃなくて、痛みなんだ・・・。
ていうか、痛みッて、中にバックとか入れる時に切開した傷の痛みってことでしょ・・・?
それって、傷が治れば痛く無くなるってことでしょ?

「うん、それはそうなんですけど・・だけどとにかく痛そうなんですよ。
 アレ見てたら、私は絶対やりたくないッて思いましたよ。」

そ、そうなのか・・・

偶然にもその数日後に、実際に十年前に豊胸手術を受けたという別の女性にお会いしました。
意外といるもんなんですね、豊胸経験のある方ッて。
私自身は加齢とともにボリュームダウンしてくるお胸にショックを受け豊胸手術に思いを馳せるようになりましたが、このお方はもともと持って産まれたパイが大変小振りだったということです。
現在四十半ばのこのお方、瑞希さんは元SMの女王様で、以前一度縄で身体を拘束された際に、お胸があまりにフラットで縄が引っかからず縛られるのにも難儀したとおもしろおかしく話してくれました。

「私の場合はさ〜、胸にホントにお肉が少なかったから、手術も普通のやり方じゃなかったんだよね。普通はさ、シリコンバックとかを入れる時に胸の脂肪と筋肉の間に入れるらしいんだけど、私は脂肪がほとんどなかったから、肋骨と筋肉をばりばりって引きはがして、その間にバックをいれたんだよね。後で医者にきいたらさ、「あなたのやり方は男性に豊胸手術をする時と同じやり方ですよ」とかいわれてさあ・・・。」

な、なるほど・・・

「参考までに、おっぱい触っていいですかね?」

いいというので触らせて頂きました。
小振りメロンくらいのまあるい綺麗な巨乳です。

・・・あ、意外と自然な女体の感触が。
たしかにハリは強い気もしますが、言ってみりゃこれくらいは理想のハリ具合。

「スゲー!羨ましい・・・!!」

よく、男性陣の意見としていくらパイが綺麗でも作り物だとありがたみが無いとか冷めるとか聞きますけど、実際豊胸って男性目線を意識してやるっていうよりも、自分で自分のお胸が許せるかどうかッてことのような気もするんですよね。
男性のハゲとかカツラとかと同じですよね。
芸能人とかは別として、大体、他人はそんなことどーでもいいんですよ。
本人だけの問題なんです。
だから、ハゲとか整形とかに関しては、それこそ他人が何言ったってそんなのカンケーないんですよね。

・・・つーか、瑞希さんのお胸さわったら、乳首の感触までもが私の手に。

「ああ、だって私、手術してからずっとノーブラだもん。する必要ないからさ。
 ほら、中にバック入ってるからずっとヌーブラしてるようなもんなんだよ。」

・・・そうか。
ブラ嫌いの私にはそれすらも羨ましい・・・。

ていうか、そうそう、聞きたいのはあのことでしたね。

「で、実際、痛いんですか?豊胸手術の後ッて。この間、美容整形の看護士やってる人にきいたんですけど・・・。」

「アア〜〜・・!痛いよ!痛い!私、手術してから、一ヶ月はずっと痛かったもん!もうとにかく首の下が全部痛いの。ちょっとでも動くと痛いの。息するのもしんどいくらい。仕事するのもすごくつらかったわ。会社行って、机に座ったらもう疲れ切って何もできない、みたいな感じだったよ。わたし、もしこの先メンテナンスとかが必要になってももう絶対胸はいじりたくないもん!もう一回あの痛みを味わうくらいならおっぱいとかどーなってもいいし!!いまでもたまに違和感ッていうか、ちょっと痛いこともあるしね。」


そ、そんなにつらいのか・・・!
ま、まあ、そりゃいままでなかったところに無かったものを無理矢理いれて封するわけだから、身体の組織が馴染むまではそりゃつらいわよね・・・。

ムリだわ。

私 ぜったい無理。

よかった、やらない理由ができてなんか安心したわ・・・。


「そうそう、思い出したけど手術の時ってさ、局部麻酔だから意識はちゃんとあるんだけど、脇の下からこう、切るわけじゃん?で、切ったとこから胸の方に器具いれて、私の場合は肋骨と筋肉をバリバリひき剥がして、そこにバックを入れるわけよ。意識があるからさ、痛くはないけどそれが全部感覚でわかるわけ。バリバリ音も聞こえるしさ。・・・も〜〜〜ホントにそれがコワくってさ・・・。やっと右胸が終わって、ちょっとホッとしたのも束の間・・・まだ左胸が残ってるわけで。あれは、ホントに恐ろしかった。今まで私が経験した中で一番のM女プレイだったわ。」


・・・!!!!


ヤメテ!!!


恐ろし過ぎる話は聞かなかったことにします。


私のお胸には利尻富士で充分だというお話でした。













2015/03/03

パイ三景

photo by maeda

残念ながら上の美しいパイは私ではありません。
勿論パイに絵を描いたのは私ですが。

二月の末に大阪にて、友人のメヘンディ描きTARAちゃんとお互いのおっぱいにメヘンディを描き合い、それを写真家の高田一樹さんに写真におさめてもらうという誠に心躍るイベントを遂行いたしました。

まだできあがりの高田さんの写真は頂いていないので、私や衣装で協力してくれたメヘンディ描きちえこさんが撮った写真を今回は貼らして頂きます。

photo by chieko
とにかくまずスタジオが素敵だったのよ。
築百年のちょっと洋館っぽい雰囲気のある和風建築でね。
なにやら昔の写真家の人が建てたものらしいのですが。

まあそんな窓ガラスや床の質感まで美しいスタジオで今回メヘンディを描かせて頂いたわけですが。

すみませんがここからいきなり下世話な話になります。

パイオツメヘンディを企画し友人TARAちゃんに話を持ちかけたのは紛れも無くこの私ですが、企画が現実化していく過程でちょっとした私自身の個人的な問題に気付かざるを得ませんでした。

問題は解決、もしくは解消せねばならないのでとりあえずは友人K子さんに相談。

「というわけで今度TARAちゃんとパイオツメヘンディをやるのですが、私のパイが十年前と比べてなだらかに下降、減量しているという事実は否めません。
いや、ここ数年で痩せた上に筋肉落ちたからね。しかも、もともとブラ嫌いだから家では思い切りフリーダムパイだから、それも影響してるのかもね。悪あがきは承知の上で、撮影までの一ヶ月で少しでもなにかできないもんかね?」

「ああ、育乳か・・・。 わたしもさ、この前、着物着る時に和装ブラ着けた状態で肌着着て横から鏡みたらさ、あまりにフラットでびっくりして、この凄まじくフラットな様を誰かに見てもらいたくて思わず写真を撮ったんだよ。ホラ。パイヘナに挑むふたりへのはなむけにこの写真を送るよ。」


・・・え。
ありがとう・・・。

・・・ほう。たしかにフラット・・・。笑
だけど、和装ブラは仕方ないよね。
あれ、胸を潰して平にするためのもんだし。

「うん、たしかに、和装ブラしてないともう少しあるよ。ユニクロのブラトップするともっと大きくなるけどな!」

ああ、すごいね、ユニクロブラトップ。
私あれ苦しくてちょっと苦手だけど。

「ていうか和装ブラしてると、ホント障害物無しの平原だよね・・。
 とると一応、鳥取砂丘くらいにはなるんだけどな・・・。」

そうか、とりあえず頂はできるのか。

「つーか、私のパイなんてブラしてるとDカップだけど、フリーダムだとBくらいに見えるよ。すごくない?この差。」

「なに、そのマジック!!」

いや、ホントにブラってすごいよ。マジックだよ。
整形の域だよね、特に日本製ワコール。
昔は憧れもあって海外ブランドの下着とか買ってたけど、やっぱり日本人には日本人の体型を研究し尽くした日本の会社のブラが一番なんだよ。
すっごいしっくりくるもん。
形が綺麗で上がるのに苦しく無いの。


「ユニクロのブラトップ着けると、多摩丘陵くらいにはなるよ。」

「え・・・。私はノーブラだとこんなもんなんだけど」

ノーブラの私の胸部の写真をK子さんにご覧いただきました。

「なんつーか、ゆるやかな山脈ぐらいの・・・なんかいまさらなんだけどこれでちゃんとパイオツメヘンディできるか心配になってきたよ。」

いや、この事実に気付いたのがパイヘナ企画した後でよかったよ。
企画する前だったら衝撃で二の足踏んだわ。

「・・・大丈夫よ、大丈夫!!緩やかに広がる裾野は、まさに日本の山そのもの!
これこそ大和風景!言うなれば利尻富士!日本の原風景よ!きっとメヘンディで雅なパイ山になることでしょう!」

た、たしかに私のパイはシルエットが和風だわ・・・!!

「K子のパイは濃尾平野、マエダナツコのパイは利尻富士(日本の原風景)、TARAてぃんはマッターホルン(海外)、か・・・。」


マッターホルンのおかげで素敵なパイメヘンディが描きあがったということです。

















2015/02/18

自撮り


Facebookやブログにおける自撮り写真投稿の連発というのは
一体どういう目的があっての行為なのでしょうかね?

以前から気になってはいたのですが、まあ時々いらっしゃいますよね、
SNSやブログに毎回のように自分の顔を自分で撮影してアップしてらっしゃる方々。

まあ別にその人自身のウォールやブログ内のことなんでどんな目的でもいいんですけど、
っていうか目的とかあるんですかね、あれって実際。

ていうかもともと自分の顔をネット上とはいえ公の場に毎回のように張り出すという清々しいまでにあからさまな行為がここまで大々的に行われているということ自体が驚きではありませんか。

ねえ、なんなの、あれ。

そんなに自分の顔を見て欲しいの?

イヤ勿論、それが「ヘアスタイル変えました!」とかの自分がその自撮り写真を通して伝えたいことがあるっぽいんならなんの違和感も感じないんですけどね。
むしろ「わあ、かわいい!」とか思ったりするんですけどね。
そういうんじゃなくて、なんかブログの内容とかに関係なく唐突に自撮り写真が貼付けられてたりするからさあ・・・。

先日、そんな最近の疑問を友人Kにぶつけてみました。

「ああ、あれね、あるよね。あの不自然な自撮り写真はさ、アメブロの女性向けの企業セミナーとかブログセミナーで『自撮り写真アップすると好感度アップ』『親近感を持ってもらえる』とかで勧められてるヤツなんだよね。
私も正直、どうなのよって思うんだけど、でもみんなやってるし、それが集客に繋がると考えてる人が多いから、まあみんなやるんだろうね。」

そ、そうなんだ・・・。

でもさ、実際の話、私、初対面で「この人可愛いな〜。」って思った人が
ひたすらSNSに自撮り写真を投稿するのを見てたら、
なんだか段々気持ち悪くなってきて、今では不快ですらあるよ。

なんか逆効果じゃないんですかね、それ。

「私の周りの人たちも同じようなこといってるよ。
『ちょっと気持ち悪い』とか『顔のアップとか見るよりサロンの雰囲気とか施術してる様子とかが見たい』とかね。
あれ、ホントなんなんだろね。
親近感湧くからとかなんとか良く聞くけど、多分アメブロビジネスやってる者同士だけで親近感湧くんだろうね。」

湧くんですかね、親近感。
だけどさ、自撮り写真の目線の距離感ッて、明らかにお互い顔を突き合わせているくらいに近い距離感で、しかも目線まで合ってるから、ちょっと近すぎてコワいんだよね。
だって普段他人とそのくらいの距離感になることってそうそうないじゃない。
恋人同士の距離感でしょ。
他人に勝手にギュンって距離感を縮められてるような不快感が。
でさ、自撮りッて結局は自分目線から見た自分像でしょ。
例えば、朝、お化粧する時に鏡を覗き込む自分の顔だよね。
他人から見た自分の目線じゃないんだよね。
だから、自分目線の自分を他人に見せつけているという不自然さがどうにも拭えないのですよ。

いやね、その自撮り写真が大好きなタレントとか芸能人とかだったらいいのよ。
むしろ嬉しいと思うのよ。
そしてそういうものを求められる芸能人とかがやってる分にはなんの違和感もないと思うのよ。
だけどさ、はたして自身の顔アップ写真の連続投稿にそこまでの価値があるかっていう・・・。

いや、もちろんね、芸能人でなくたって、「私の自撮り写真を是非世の人に見てもらいたいの!」とか「ねえ見て!私ッて綺麗でしょ!」というような確固たる目的意識を持って投稿しているのなら、たとえそれが勘違いであったとしても私は心の底からその投稿者を讃えますよ。
だってそれは目的と意志を持った表現行為ですから、例え非美人が「私ッて綺麗でしょ!見て!」って言ってたとしてもその行為は素晴らしいのです。

だけどさ、なんか、私が日々目にしてる連発自撮り写真にはあまりそんな意志とかも感じなくてさ・・・
意志とかあまり感じられない、見たとこ価値があるかもわからない自撮り写真をひたすら見せつけられてる感じがなんか、違和感なのかしらね・・・。

自分の顔を自分で撮影して公の場にアップするってことはさ、
多少なりとも「私の顔を見て!」というアピールであると思うのですよ。
てことはですよ、見る側の権利として、「なんだこれキモイ!」とか「みたくねーよこんなの!」とか思ったり言ったりすることもあるわけですよね。
なんていうか、投稿する側はそこまで覚悟して投稿してらっしゃるんですかね?
もし「おまえの顔なんかみたくねーよブス」とか言われるくらいの覚悟をもって投稿してらっしゃるなら、私はそんな女性はとても好きできっと尊敬しますが。

「なんかね、アメブロビジネスってさ、仲間内でお客さんを回し合ったりしてるから、『コメント周り』なる行為があるらしいのよね。お互い読者登録しあってるブログにコメント書きにいったりイイネ!し合ったりするのが推奨行為なんだよね。
多分そのせいもあって、ぶっちゃけあんまりかわいくない人でもある程度有名になると
『◯◯さんいつもかわいい〜!』『実際会った◯◯さんは写真以上にかわいかったー!』
『仕事もバリバリできて美人の◯◯さん』とか周囲からコメント付いたり紹介されたりするんだよ・・・。
だからそういうのもあって喜んで自撮り写真アップできるんじゃないのかな・・・。」


え・・・笑

もし本当にそうならそれはちょっと楽しそうね?

それはそれでひとつの意志で目的よね?

いやべつにだからってやらないですけどね。








2014/12/05

生きてるって怖い


二十代のころは「自分の身体」はどんなに虐げても黙ってついてくる、
奴隷のようなもんだと思っておりました。

一体いつから私の「身体」と「精神」の主従関係は逆転してしまったのでしょう。
前回はポテトチップスが、煙草がどうのとアンチ健康志向的なことを書きましたが、
決して私は自分の健康を考えていないわけではないのですよ。

てゆーか、私は明らかに自分の「身体」のご機嫌を伺いながら
日々を生きていますから。


先日、初めて真夜中に救急車を呼んでしまいました。

・・・ていうかスミマセン。

今思えばそんなに救急じゃないのに呼んでしまいました。
なんかさ、最近タクシー替わりに救急車呼ぶような不届き者がいたりするんでしょ?
勿論私だってそんなつもりは毛頭ないんですけど、
予想外の自分の状況にその時は軽いパニックを起こしてたようです。

今まで経験したことの無い唐突で暴力的な目眩と吐き気に襲われたのが
およそ午前0時。
途切れること無い強烈な吐き気に二時間ほど身悶えたところで、
このままでは自分の生理機能すら自分で管理できなくなってしまうような恐怖に襲われ、
救急で病院に行ってきました。

別に何か悪いものを食べたわけでもなく、
持病があるでもなく、
てゆーか、フツー、食中毒とかだったらさ、
とりあえず一回胃の中のものだしたら少し楽になったりするじゃない。
繰り返し繰り返し強い吐き気が何時間も波のように打ち付けてきて、
後頭部にある「吐き気スイッチ」みたいなのを一回押されたらもう
とまらないのよ、ッて感じでホントにもうキツかったです。

「とりあえず頭のCTと血液検査しましょう。」

ということでなんとか吐き気をこらえながらCTを撮り、
左腕から血を抜かれ、
目眩と吐き気の原因もわからぬまま、目眩止めの薬を点滴。

・・・いや、ホントは私的には原因はなんとなくアレのような気がするんですけどね。

医者にも救急隊員にもこの申告は無視されましたが、
丁度前日に耳鼻科で処方された、クラリスロマイシンという抗生物質。
その副作用じゃないかと思うんですよね。

クラリスなんてカワイイ名前のわりに重厚感のある粒のでかさと金のパッケージで
なかなか強そうなやつだなあ、と思いながら薬剤師さんから受け取ったんですけどね。

前日の、最初の服用の直後に、身体にズシっと重い感じがきたんです。
で、その少しあとに激しくお腹を壊したので
「これは・・・・強い薬だなあ。」
と思ったんです。
というのも、以前にも一度抗生物質で下痢と吐き気に襲われたことがあったもんで、
その時の唐突な感じとなんか似てたんですよね。

医者的には服用から既に時間が経過していたということもあって
そのセンは無いとの見解でしたが
とはいったってそんなの体質とかきっかけとか個人差とかあるわけだから
一概には言えないじゃないね、というのは私の思うところなんですが。

それにしても、強い継続的な吐き気ってホントに辛い。

なんつーか絶えず殴られ続けてるような感じだなって思った。
いや、別に痛くはないんだけど、
継続的な強い緊張感とか恐怖感とか唐突な衝撃とか
そういうものに耐え続けることの凄まじい疲労感とか。

辛すぎて吐きながら泣いてたら、
看護士さんに「ほら、泣いても良くならないでしょ。」と言われたので
「てゆーか、泣かなくても良くならないんで、だったら泣いた方が気が紛れて一瞬だけど楽なんで・・・!」
ってことで泣きながら吐かせて頂きました。


結局吐き気は翌日の午前9時まで続きましたが、
もしあと丸一日でも続いてたら、死にたくなるんじゃないかと思ったよ。

ほんの一晩の出来事でしたが、
朝には力んだ身体中が筋肉痛で、腕は内出血してるし、
もともと乾燥気味の肌は軽石のように変質してるしで
もうボロ雑巾のようでした。


で、夜中にげろげろ胃液吐きながら考えてたんですが、

きっと、人が耐えられる苦痛なんてたかがしれてるんだろうなあ、と。

昔、抗がん剤の治療を受けていた末期ガンの知人が、
副作用の吐き気が辛い、といって途中で治療をやめて死に支度を始めたことがあったんですよ。
家族からは「なぜ諦めるのか」と泣かれたらしいが、
彼女は「もうこれ以上は頑張れない」と言ったという。

今なら私も彼女の気持ちが少しだけど、想像できるわ。

気持ちよりも何よりも、身体が辛い、痛いというのはなによりキツいね。
いやもう、圧倒的だね。
以前に吐き気付きのひどい片頭痛でもそう思ったことがあったけど、
私、あんなに強い吐き気だったら三日が限度だと思うわ。
しかも、それがいつ終わるかもわかんなかったらきっと、
精神的にもおかしくなる気がする。

あたりまえのことなんだけど、
どんなに痛くて辛くても自分の身体の痛みは確実に自分の身体の中にあって、
他の誰が変わってくれるもんでもない。

なんかもうそれが致命的に辛いのよね。




いや、

こんな風に身体が辛いのはもうホントに勘弁ですわ・・・。

頼むからこういう苦痛とは無縁で生きていきたい。

まあ、誰しもがそうでしょうけど。


だけどなんかさー、
自分が肉体持って生きてるってことは、
これ以上に様々な肉体的な苦痛を感じる可能性があるんだなって思ったらなんか・・

背筋がうすら寒くなりましたよ。


ああなんか・・・


生きてるって、


怖い。