2016/12/13

粘膜





若干の今さら感はあるのだが、

上野メンズクリニックの、あのタートルネックから男性が顔を出している広告写真の発想が素晴らしいと友人K子さんがわざわざメールしてきた。

小学生男子がそのまま可憐な女性になったかのような、なんともK子さんらしい話題でのメールである。

だけどさ、あの広告ってもう二十年くらい前からあるし、広告の内容的にあまり美しい想像が膨らまないので私的にはまあ軽くスルーしてもよい話題だったのだけれど、こういうほっとけば消えて行ってしまう無駄話を私は結構愛してるので、折角なので備忘録的に記録しておこう。



「イスラム教徒はさ、みんな子供の時に包茎手術するんだよ。」

パキスタン人の旦那さんを持つK子さんならではのおもしろい話題が出てきてしまった。

「でね、終わったらお祝いするの。」

「ああ、割礼みたいなやつだよね?あれって衛生上の理由で始まった風習だよね、たぶん。暑い国に多いもんね。」

「そうそう、日本にいるイスラムの子供は病院で包茎手術を頼むんだって。私としてはこの広告センスが素晴らしい上野クリニックをお勧めしたいもんだけどな。」

「そうか。笑…そういえば、どこの国か忘れたけど、女の子でもあるよね、子供の時に女の子のクリトリスを石とかで削り取って使えなくしちゃうの。」

「ああ、切るのもあるけど、縫い閉じちゃう場合もあるよ。それもイスラム教だよ。解釈によって、女も割礼すべきと考える指導者がいるエリアだと、そうだったような。」

「ああ、割礼自体は宗教問わずけっこうあるよね。クリスチャンでも割礼って聞くし。てゆーかそれよりさ、男は剥けば使えるようになるけど、女は切ったり縫ったりしたら使えなくなるじゃん? なんかひどくない?ソレ。まあ、そういう文化圏特有の因果なり理由なりがあってのことなんだろうけどさ。」

「セックスは子孫を作るためのものだから、気持ちよくなる部分は不要ということらしいよ。縫うのは、小陰唇、かな?股間の真っぷたつに割れてるとこをそのまま縫う、みたいな感じだったと思う。結婚まで処女を守るためだそうだよ。」

「ああ、すっげー嫌だけど、そういう風習があるのは納得できるわ。聞いてるだけで痛くて叫びたくなるけどな。大体は、クリトリスとか小陰唇とか性器の一部を切除するみたいね。縫い閉じるのは、どちらかと言えば割合的には少数みたいね。」

「で、まあ、小さい子供のころにやるから縫ったとこもくっついちゃうじゃん?でも結婚したら使わないといけないから無理矢理縫い目を開くわけで、それがスゲー痛いらしい。」

「・・・・・!!!!」

「ちなみに男性割礼も痛いらしい。みんな痛かったと言っていた。」

「…今、wikiで女性割礼の項目みてみたんだけど、結婚初夜に夫が縫い閉じられた花嫁の陰部を切り開く部族がいるらしく、自力で花嫁の陰部を開いて性交を果たせなければ面目を失う、って書いてあるけど…面目なんか知るかよ。こっちは激痛だよ。」

「あ、ここのサイトに女性割礼の手術方法の種類とか出てる。色々あるんだな。なっつん読んでみなよ。ホラ。」



・・・・・・



「・・・・ごめん、怖くて最後まで読めない。」
「・・・痛いし怖いしでね・・・。」


「なんかさ、勝手な想像なんだけど、女性割礼って、女性を強くしないための風習って感じがしなくもないよね。もともと結婚前の女性は他の共同体への貢ぎ物っていうか、家畜と同じような役割があったわけだから、男が求める意味での処女性が重要視されるってのもわからなくはないんだけど、だけど結局は、こういう割礼って、女がセックスの快感に目覚めるのを、男が恐れたからじゃないかって気もしなくはないんだよね。女性割礼の理由に「性交の快感を抑制する」ってあるけどさ、当たり前の話なんだけど、大体の場合、思春期にセックスの快感を知った健康的な女の子はとりあえず貪欲にヤリまくるし、それは生物の行動としてはとても合理的で、しかも快感を知るってのは欲望の所在であるところの肉体の確認と、獲得欲からくる希望みたいなものを手にするってことなわけだから、あたりまえだけど、強くなるんだよ。そういう健康的で純粋な強い女に浮気されたり遊ばれたりして傷ついて女性不信になった男も何人か知ってるけど、そういう男を見てるとさ、男ってホントに繊細で傷つきやすいんだな、って思うよ。男も女もどちらも純粋だけどね、女はその純粋さの基盤が生理的な強さでできているけど、男の純粋さっていうのは雪の結晶みたいな脆さで構築されてる感じもするわけよ。そんなナイーブな男たちが欲望のままに強く生きる女たちを恐れて、こういう女性割礼みたいな文化を築いたんじゃないかって想像するとさ、なんかちょっと愛おしくならない?っていうか、そこまで言っちゃうともう想像ってゆーか、私の妄想ではあるんだけどさ。」


なんつーか、こういう割礼みたいな文化と無縁で育ってきた私からすると、大人になってから自分の好きずきで肉体改造するならまだしも、半ば義務的な子供に対するこんな痛い文化とか風習なんか、もうやめればいいのに・・・・!!って思うんだけど、まあそれも単なる「人権(西洋文明)」と「伝統習慣」における文明の衝突、または「自分の物質的な力に浮かれ最早自分の精力の十分な捌け口が自身の中に無いと感じ、どこかで服従の身にあるものを助けたいと思い支配欲を潜ませた干渉趣味」と、とあるサイトでは一蹴されておりました。そんなもんですかね。まあ、もともと選択肢が思いつかなければ選べないからね、風習ってそういうもんだしね。


ここまで話して別の話も思い出した。


「日本の地域的な昔の風習でさ、その地域の長が、結婚前の処女の破瓜をするっていうのあるよね。夫より先にやっちゃうやつ。」

「ああ、処女権だよね。処女権は、ヨーロッパにもあるよ。結婚前に領主が頂くやつ。…あ、違った。処女権じゃなくて、初夜権だ。内容は同じだけど。」

「そうなんだ。その風習だけどさ、古代の神事が起源になってるとか、処女の血が忌み嫌われてたからだとか、処女膜の確認とか理由は色々あるみたいだけど、とりあえず、処女性が重要視されていたとしても、先に領主にヤラれちゃうわけだからさ、実際その娘が処女だったかどうかなんて夫にはわからないわけじゃん?だから、例えば結婚前に不貞してたりとか、やむをえない事情で結婚前に処女膜を喪失してる女の子とかにとっては、ありがたい風習だったと思うのよね。真実は領主の胸の中だけにあるってことでね。なんか風習って、そういう実利的な一面って必ずあったりするわけじゃん?」


「ああ。なんかさ、…さっきの女性割礼のサイト見てたらさ、割礼の一種で、膣を切開して大きくするとかもあるらしい。子供産むときのためって。事前会陰切開的な…?」


「…え!!なんで!!なんでそんな余計な事すんの…!!頼むからもう切ったり縫ったりしないでよ…!」


「出産時の負担を軽減するためらしいが、実は余計痛いらしいと書いてあった。」



まじかよ。



……ていうか、なんでこういう粘膜系の話って、想像するだけでこうも痛いんでしょうね。