2011/11/10


バリ島に行く前に、何人もの友人に言われたんですよ。


「金目当てのバリ人の男がいっぱい寄ってくるから、気をつけて!!」


・・・って。


なんだか、たまにそういうこともあるみたいですね。
やっぱり日本とインドネシアじゃ物価もすごく違うし、
日本円が目的のインドネシア人が近づいてきても、それはまあ当然な気もします。


バリ旅行に来た日本人の女に近づいて、
どうやら預貯金のある30代前後が狙い目らしいのですが、
日本への航空券とか車とか場合によったら家とかを買ってもらって、
女の預貯金が底を着いた時点でポイ、みたいな。


ホントかどうかは知らないですよ。


ただ、そういう話を聞いたんです。


でもさー、


男と女の関係にお金が絡むのはどこの国だって同じことですよね。
完全にお金抜きでお互いを感じ合える瞬間っていうのは
それこそ最初に恋に落ちた瞬間くらいのもんだと思うし、
それこそ日本でだって女は男の経済力に恋をしているんだと言えなくもない場合もあるしねえ。


だから、男と女の関係においては、どっちが悪い、とか何が悪い、とか言いっこ無しですよ。
金目当てだろうが、騙されようが、それも恋愛のうちだと思うんです。
恋愛って、自分という存在の肯定と向上に深く関わってますよね。
そしたら、自分に関わるもの全てが恋愛に関わってくるのは当然だと思うんです。
それこそ、生活とか、お金とか、社会とか、身体とか、そんなものも。


まあ、そんなかんじで


バリで知り合ったバリ人の男の子(21歳)のメメ君に話を聞いてみました。


「ボクもね、前に日本人のカノジョがいたんだよ。」


メメ君はすごく綺麗な日本語を話すバリニーズです。
育ちがいいのか、なんだか気品みたいのがあるんですよ。
日本に行くのが夢ということで、今、熱心に日本語の勉強をしているとか。


「日本人のカノジョのこと、好きだったけど、やっぱ遠距離は難しいヨね。」


う〜〜ん。


まあそれはそうだよねえ。


「日本でさあ、『バリ人の男には気をつけて!』って言われたんだけど、
 それって どういうことなんだろね?」


とりあえず当たり障り無くそんな質問からしてみました。


「ああ、あのね、二年くらい前にクタで日本人の女の子がバリ人に殺されたんだよ。
 みんながみんなそうじゃないけど、それでもクタのあたりは気をつけて。
 危ないから。
 声かけられても付いていかないで・・・とは言わないけど、
 危ない人かそうじゃない人かは自分の眼でちゃんと見極めないとネ。」




へえ〜〜。


わたし、そんな事件があったことすら全然知りませんでした。
どこの国でも起こりえる事件ではあるけれど・・・。


「それってさ、日本人の女は狙われやすいってことなのかね?
 声かければすぐついてくるとか、金持ってるからとか、そういう風に思われてんのかな?」


「う〜〜〜ン・・・。そういうのもあるかも知れないけど・・・。」


ちょっと言葉を濁す、バリ人 メメ君。


後で聞いたところによると、メメ君ん家はバリヒンズー教のカーストでも上の方の階級に位置するらしく、
育ちの良さはおそらくそこからきているようなんですね。
日本語といえど、下品な表現にならないよう慎重に言葉を選ぶメメ君は、
その真摯さゆえか日本人の友人もかなり多い様子。


「あのね、ボクの年くらいのバリ人はさ、すごく日本に憧れてる部分があるんだよね。」


へえ?


それはなにゆえ・・・


「小さい頃からね、日本のアニメ見て育ってるから。」


・・・!!


ああ なるほどね・・・


「そうか〜〜! ドラえもん、とか!?」


日本のアニメと言えば、やっぱりドラえもんでしょう。


「うん、そう! 忍者ハットリ君とか、ドラゴンボールとか!!」


ええ!?


ああ、そこまで知ってんだ・・・。


不意に「ドラえもん」のテーマソングをギター片手に歌いだすメメ君。
横に居た友人カデ君まで、「ド ら え〜〜〜もん〜〜〜っ」で ハモり出しました。


すごいね、ドラえもん・・・。


「だからさ、なんとなく日本人が好きっていうのはあるよ。
 あとね、僕らインドネシア人は肌の色が濃いでしょ、その中に色の白い日本人の女の子がいると、
 なんか特別な感じがするんだよね。」


ああ


なるほどね・・・・。


「あとさ」


・・・ちょっとここで再び言葉を選ぶ、メメ君。


「あのね、下品な話でごめんね、日本人の女の子ってさ、してるとき、声、出すんだよね。
 インドネシアの女の子は、声、あんまり出さないんだよね。
 それがね、日本人はいいんだよね、だからボクは、日本人の女の子が好きなの。」




・・・!!!


ああ


なるほどね!!


いえ もちろんその意見がメメ君個人の経験に基づくものだっていうのはわかってるんです!
メメ君が関わって来た、インドネシアと日本の女の子に限ってのことだっていうのは承知の上で。


そうなんだ〜〜


いいな〜、こういうナマの声。
文化圏を越えた意見ってのがまた新鮮。
以前に、「女の子ってさ、あんあん言ってりゃいいと思ってるでしょ。」とのたまった
日本の男友達がおりまして、
その時は「ハハ!確かにそう言う時もあるかもね!」と妙に納得したことがあるのですが・・・


それも含めて、誰が発したかわからない一般論や情報より、
こういう個人の、個人的な意見っていうものが、心に刻み込むに値するんですよ。


これからの人生の糧とさせて頂きます。
メメ君、おもしろい話、ありがとね。