2011/08/19

緑を食べる



敬愛する伊丹十三のエッセイを読んでいたら、
マエダが長年漠然と感じつづけていたことが書かれていて、ちょっと感動しました。




「レタスは、美味しくない。」




・・っていう、ただそれだけのことですが。
多分、今このブログを読んでくださっている方々の大半が、はあ?って感じだと思うのですが、
だって、レタスに美味しいもまずいもないでしょ?って感じですよね?
だがしかしですね、レタスとは言っても、あの一般的によくスーパーとかで売っている、
あの丸いレタスのことです。
決して、サニーレタスなどの葉レタスのことではなく、キャベツ状の、あの丸いぱりぱりしたレタスです。


私、昔から、なーんか、あのレタスが入ったサラダが嫌いなんですよ。
サラダじゃなければいいんですが。


だって、サラダだと、ぱりぱり水っぽくて、味が全くしないじゃないですか。


あのレタスの上に、さらにキュウリとか入っちゃったりすると、
大した味の無い二大野菜が雁首揃えて何の主張も無くドレッシングの味に染まりきるわけですよね?


なんか・・・ なんか、嫌いだったんです。


だけど・・・この伊丹十三のエッセイ読んで、再び 納得!


やっぱり、サラダにはあのレタスじゃだめなんだよ!
サニーレタスとかサラダ菜はいいんだけどね!
以下、伊丹氏 曰く・・


「あんなものは、レタスでもなんでもない。
 あれは人造野菜だと思っている。実に個性の無い、興味索然たる味わいの葉っぱではないか。
 ほんとうのレタスは、やはり緑色でなくてはかなうまい。
 そうして、緑色の野菜というものは、必ず特有のほろ苦さや、辛さや、軽い渋みや、
 ひりっとした香りを持つものであって、だからこそサラダというものは生き生きした食べ物なのだ。」




特有の、ほろ苦さ・・・




そう!


そうなんですよ。


緑の野菜のみずみずしさとほろ苦さを味わうのが、正しいサラダの有り様だと思うのです。


ということで、


今日はクレソンのサラダを作ってみました。


クレソンとサニーレタスとサラダ菜をちぎってバサバサ和えるだけ。
クレソンは多い方がいい、主役はクレソン!
国分寺駅ビル地下でしっかりした美味しそうなクレソン一束百円。
これから電車に乗るのに野菜各種、思わず購入。
国分寺丸井の生鮮品売り場はなんでも新鮮で見てて気持ちいいですねえ。


ドレッシングはマエダが小学校の家庭科の授業で習ったフレンチドレッシングの作り方で充分。
オリーブオイルと酢と塩と胡椒。結局これが一番美味しい。
でも、酢をレモン汁に変えるともっと美味しい。
で、そこにちょっと酢を効かせる。
で、クレソンのサラダの場合は細かーく刻んだニンニクとほんの少量の砂糖を入れると、
一気に味に深さがでてまた美味しい。


クレソンでなく香り野菜でパセリを使うなら、
大量のパセリを細かくみじん切りにして、緑の野菜に和えるだけでもかなり良い香りで、美味しい。


あと、これは個人的な趣味ですが、
緑のサラダは、緑一色が、いちばん、美しい。


それをステンレスのボウルでそのまま でん!と出すもよし、
白い器も緑が映えて綺麗かもね。
今日のマエダ家は大きな薄いブルーの和食器に丈を出して盛ってみました。
とにかく緑一色だと何に盛ってもなんか清々しくて綺麗です。


赤いトマトとか、イヤなの!
トマトはトマトだけで、玉葱とかのドレッシングで食べるのがいい。
トマトって葉ものとは合わない気がするんです。食感とか。


一見、緑一色のサラダ。でもね、よく見ると色んな緑のグラデーションになってるんだよ!
緑の中にサニーレタスの渋い赤色とか、そのくらいが、いい。


あっ でも ミニトマトが半分に割られて和えられてるのもちょっとカワイイけどね。